皆さんこんにちは。フリーランスメディア編集部 まるりんです。
弊社は元々取材執筆をおこなう編集プロダクションとして事業活動を行っています。現在はフリーランスメディアの運営を開始していますが、一部上場企業のWEBメディアの立ち上げ経験が複数件あります。
そんな経験を元に取材先へのアポイントの獲得方法について、深掘りしていきたいと思います。
アポイントとは?
「アポイントメント」の略称で、会合や面会の約束を指します。単純に「アポ」と消略されることもあります。
電話でアポイントを取る仕事のことをテレフォンアポイント。略して「テレアポ」と呼びます。
事前の準備
準備を十分にしておくことで、アポイントの際に記事の目的や形式などを具体的に伝えることが出来ます。
- インタビュー対象の情報収集
プロフィールやインタビュー対象が関わっている組織や事業などについての情報をできる限り収集します。最低限、以下の情報は調べておきましょう。
| ・インタビュー対象の経歴 | ・所属組織(企業・団体)のHP |
| ・インタビュー対象のSNSの情報 | ・所属組織(企業・団体)の情報 |
| ・現在の活動や取組み | ・所属組織(企業・団体)の事業・取組み |
| ・著書作品があればその書籍 | ・過去のインタビュー記事 |
- 記事の方向性を確認
どんな記事にするのかという方向性を、クライアントとすり合わせておきましょう。
記事は大きく分けて、読者の達成したい目的である「認知」「理解/検討」「行動」の3種類に分かれます。
認知
読者が「知りたい情報」を提供するための記事です。読者の目的である情報を最初に提供し、結論についての説明も簡潔でわかりやすさが求められます。
読者に「知らなかった」「そうなんだ」という感想を持ってもらうことが目的です。
理解/検討
既に情報を持っているけれど関心や興味がない読者に、より深い情報を提示して興味を持ってもらう、自分ごととして捉えてもらうことが目的です。
読者に「そういうことか」「気になるな」などの感想を持ってもらうための記事です。
行動
「認知」や「理解/検討」を持った読者に、何らかの行動を起こしてもらうための記事です。問題提起による共感や、問題の解決策の提案などにより、読者自身が具体的な行動を起こすことが目的で、「やってみよう」「買ってみよう」などの読者の行動につながるように記事を執筆します。
これらの方向性を定めて取材に臨まないと、必要な情報が十分に得られなかったり、話が横道に逸れたり、話の着地点がずれたりするので注意しましょう。
・複数の取材相手との座談会形式
例:
Q:「○○に仕事をしていた当時のことを教えてください。
B:A先生が休暇を取られて、日本を出られたんですよね。
A:そうですね。紛争地帯の医療支援に取り組むためでした」
・インタビュアーとインタビュイーによるQ&A方式
例:
Q:当時のことを教えてください。
A:休暇を取って日本を離れました。紛争地帯の医療支援に取り組むためです」
・インタビュアー(取材する人)がインタビュイー(取材される人)から話を聞き、 インタビュイーの視点に立って書く一人称視点のルポルタージュ(ルポ)形式
例:「私は休暇を取って日本を離れ、紛争地帯の医療支援に取り組むことにした」
記事の形式を確認
記事がどんな形式になるのかをクライアントに確認しておきましょう。
掲載されるのが紙媒体(雑誌等)か?インターネットサイトか?によって記事の形式は違ってきます。
おおまかに分けると、上記のような種類があります。
記事の情報量を確認
記事に盛り込む情報量も重要です。
例えばQ&A方式の記事の場合、質問に対する回答が書かれているので知りたい情報にすぐ到達できますが、記事全体の文章量に対して、盛り込める情報は少なくなります。
対して一人称視点のルポや三人称形式の記事は情報を盛り込みやすい傾向があります。
情報量を少なめにして読みやすさを追求するのか、情報量を多くして密度を濃くするのかを検討しましょう。
質問票(ヒアリングシート)を作成
記事を作るための情報が出揃ったら、インタビューのための質問票(ヒアリングシート)を作りましょう。記事を書く上で外せない質問や、聞き出したいことをまとめておきます。
インタビューを打診する際、あるいはインタビューが決まった際に、インタビュー相手に送って確認してもらう場合が多いでしょう。
インタビュー対象の人選と想定
内容の濃いインタビューになるかどうかは、インタビュー対象の人選にかかっています。
中には気分屋で非協力的な取材対象者に会う事も….心が砕けてしまいそうなほどバキバキに折られることがありますが、人生なんてそんなものです。全てがうまくいくことはないので挫けずに取り組みましょう。

人選のコツ
インタビューに必要な技術があっても、インタビュー相手が必要な情報を持っていなければ意味がありません。人選ミスを避けるために、人選では次の2つの条件をクリアする取材相手を見つけましょう。
・インタビューの目的を達成できる情報や経験を持っている
・他のメディアですでに取り上げられている(これ大事)
・過激な発言を言いそうな人は最初から避ける
特に必要な情報を持っていない相手だと、記事を資料で補足する、記事自体の規模を縮小する、などの対応が必要になります。無理に記事のボリュームを維持した状態で納品してしまうと、クライアントとトラブルになる場合があります。事前にクライアントに取材内容や記事の方向性について報告連絡相談しておきましょう。
インタビュー対象のリスト化
インタビューの企画の際、最初から対象を一人に絞り込まないようにしましょう。
インタビューを断られたら最初から人選のし直しになるので、タイムロスが生じます。
あらかじめ複数の候補を想定し、インタビューしたい順位、インタビューを引き受けてくれそうな実現性の順位をつけてリスト化しましょう。
その上で、優先順位の高い人からアプローチすることをおすすめします。
インタビューのシミュレーションをする
事前にシミュレーションしておくことで、取材に有効な複数の効果が見込めます。
シミュレーションは必ずしておく
企画とインタビューの対象者が決まったら、インタビュー全体の流れを一度イメージしておきましょう。シミュレーションには3つの効果があります。
1.インタビュー当日に緊張しづらい
よほどインタビューに慣れていない限り、初対面やあまり話す機会のない相手と話すのは緊張するものです。もちろん適度な緊張感は必要ですが、緊張しすぎると十分な意思疎通が図れず、いいインタビューになりません。
「こんな順序で話そう」とシミュレーションしておくと、緊張が軽減されます。
2.質問すべきことが明確になる
インタビューに際し質問票・ヒアリングシートなどを準備しますが、シミュレーションすることで頭が整理されて流れが把握でき、より踏み込んで話す頭の余裕ができます。
用意した質問のとおりに聞くだけでなく、「その時どう感じられましたか」「私ならこう考えてしまいますが」などのように、話を広げ、掘り下げていくためのコツです。
3. 時間配分がうまくいきやすい
インタビュー全体の流れをイメージできると、インタビューの中でも外せない重要な話を聞くための時間配分が把握できます。
インタビューは基本的に一発勝負であり、しかもほとんどの場合時間制限があります。
シミュレーションしておくと、話が横道に逸れても「横道に〇分使ったからそろそろ本題に入らなければ」「質問があと△個あるから、5分ずつ割り振れば大丈夫かな」などのように流れをコントロールでき、時間を無駄にせずにすみます。
シミュレーションはおおまかでいい
未経験、もしくは経験が浅いインタビュアーであれば、細かすぎるシミュレーションは避けましょう。もちろん具体的なやりとりを想定できればいいですが、慣れないうちは難しいものです。
また、シミュレーションをせずに当日インタビューに臨んでしまうと、冒頭から緊張して的外れなことを聞いてしまう…という場合もあります。
アポ取りの方法
取材相手に会う際、事前にアポイントを取って、取材の日程や場所を調整します。
これを「アポ取り」といいます。
手段は複数用意する
アポイントは電話かメールで打診する場合がほとんどです。SNSを利用している場合はTwitterやFacebookに連絡するという手もあるでしょう。ごくまれにファックスの場合があります。
どうしようもない場合に、直接相手先に飛び込みでアポイントを取りにいくという手もありますが、普通は事前に電話かメールで連絡をしておかないと相手にされません。
では、電話とメールのどちらがアポイントを取りやすいのか。これは取材対象によります。
一般的には連絡先のメールアドレスに連絡し、取材対象が応じてくれる気があれば返信してもらえるでしょう。
あまりメールを確認しない取材対象だと、メールで打診しても気づいてもらえないかもしれません。その場合は電話をかけましょう。
電話なら気づいてもらえないということはありませんし、電話で断られたり、そもそも電話に出てもらえなければ取材できないとわかります。
電話で申し込んで興味を持ってもらえたら、「後ほどメールにて企画の詳細や資料を送らせていただきます」とお伝えすれば、メールでご確認いただけるでしょう。
アポ取りでお伝えすること
まずは取材の趣旨と取材対象を選んだ理由を述べ、詳細を電話、もしくはメールで説明すると伝えましょう。
メールの場合は、取材の依頼であると一目でわかるような件名をつけることも重要です。
取材の詳細については、大前提となる以下の情報をお伝えしましょう。
| ・インタビューの内容 ・条件(謝礼) ・スケジュール ・取材の日時 ・取材の場所 |
アポ取りに有効なネットワーク
まれに、電話番号やメールアドレスなどが公開されておらず、SNSも利用していない場合があります。このような場合は、知人に「ハブ人材」がいないか探してみましょう。
「ハブ人材」とは幅広い人脈を持ち、知人と知人をつないでくれる人材のことです。
そうした人材に知人がいなければ、インタビュー相手が出席しそうな会合に顔を出して相手と接触したり、相手に近しい人物と知り合いになることも有効です。
間に入る人材によっては、インタビュー相手に打診しやすい、インタビュー相手が断りにくいなどの理由で取材を引き受けてもらえる確率が上がります。フリーのライターの場合は人脈が重要になるので覚えておきましょう。
アプローチを考える
アポイントを取ろうと思ってもうまくいかない場合は、アプローチの方法を考えましょう。
押してダメなら引いてみろ、ということわざがありますが、アポが取れるためなら食い下がってあらゆる手段を講じましょう。

直接アプローチ
インタビュー相手に電話やメールが直接つながればスムーズですが、相手によっては秘書やマネージャーなどがいる場合があります。
この場合は彼らを突破してインタビュー相手に伝えてもらうため、大前提となる情報を明確に文章にして送りましょう。インタビューの内容、条件(謝礼)、スケジュール、取材の日時と場所はもちろんですが、加えてインタビューに応じることで相手が得られるメリットを提示すると、相手につながりやすくなります。
「記事を作るのでご協力をお願いします」というのはあくまで、クライアントやライターの都合です。「読者にメッセージが伝わります」「読者に商品のよさが伝わります」など具体的に記載しましょう。
間接アプローチ
方法として以下の2種類があります。両方のルートを用意できると、引き受けてもらえる確率が上がるでしょう。
紹介
インタビュー相手の連絡先を紹介者に教えてもらい、自分で連絡をします。その際、紹介者に「できれば一声かけていただけると助かります」などのようにお願いしておきましょう。
電話やメールでインタビュー相手にアプローチする際に、紹介者の名前を出すことで、スムーズに話が進むかもしれません。
仲介
仲介者に企画書や自分のプロフィールを預けて、「こういう理由で取材をしたいと考えていますので、よろしくお伝えください」と依頼します。
この場合は企画書やプロフィールをPDFにするもしくは、プリントアウトするなどして用意しなければなりません。また、仲介者に企画のおおまかな内容を理解してもらう必要があります。
アプローチの際の小技
インタビュー相手との距離を詰める方法として、1つは「相手に自分との接点を感じてもらう」という方法があります。これは情報収集で自分とインタビュー相手との共通点を見出し、例えば「出身地が同じ」「共通の趣味がある」などのアピールをするのです。世間話のきっかけになりますし、親近感を持ってもらえる可能性があります。
もう1つは「事前に自分のプロフィールや取材の実績、手がけた記事の掲載誌などを送る」という自己開示の方法です。
特に取材の実績や手がけた記事などは、あなたの自己紹介にもってこいでしょう。開示することで相手に信頼感を持ってもらえる可能性があります。
最後は、対面して話すことが苦手なインタビュー相手の場合、オンライン取材を打診するというものです。ソーシャルディスタンスの確保のためにオンライン取材を希望する場合もあるので、選択肢として提示しましょう。
アポ取りのタイプ別対応
取材したいと思うような人は、主に仕事の都合やライフスタイルなどが理由でアポ取りが難しい場合があります。多い事例をピックアップして、代表的な対応をご紹介します。
連絡が取りづらい人
メール、電話、SNSのいずれを使っても連絡が取りづらい人はいます。知らない相手からのメールを見ない、電話にも出ないなどの理由です。
この場合はこまめに連絡を入れ続けましょう。メールの件名をよりわかりやすいものにする、電話は留守番電話にメッセージを入れるなど、根気が重要です。
連絡手段が主にSNSの人
メールや電話での連絡先が公開されておらず、TwitterやFacebookのアカウントにしか連絡できない場合があります。
この場合はダイレクトメッセージで取材したい旨、詳細をメールか電話で説明する旨のメッセージを送りましょう。
多忙な人
このタイプのインタビュー対象は長々とした説明は好まず、話の要点のみを必要とします。秘書やマネージャーなどがついている場合があります。
企画の趣旨・内容をわかりやすくまとめてメールでお送りしましょう。また、相手にとってのメリットを明確に提示することも忘れずに。
ドタキャンされた
多忙な人にまれにあることですが、インタビュー自体を土壇場でキャンセルされることがあります。企画が無駄になってしまうので、こういう事態は避けたいところです。
インタビュー相手があまりにも多忙で、取材が決定してもなかなか連絡が取りづらいようであれば、念のため同様のインタビューをお願いできる別の人をピックアップしておきましょう。
参照:株式会社乙栄商会 HP
まとめ
いかがだったでしょうか?
ノウハウを詰め込みすぎたので長文になってしまいました。
ライターとして取材・アポイントをするためには実際にやってみて、何回か失敗をして仕事を覚えていくことが有効です。
失敗を恐れずに、まずは習うより慣れよの精神で、新たな挑戦に向かって飛び込んでいきましょう!


