企業を経営する上で、法人税の支払いは免れません。とはいえ経営者の方は、毎年多額の税金を納めるときに「もっと安くならないのか」と思うものです。そこで今回は、適切に法人税を節約する方法を解説します。
節税とは
節税とは、法律に則り適切な方法で税金を減らすことです。支払う税金を減らすことで資金を確保し、事業への投資や貯蓄にお金を回すことができます。ただし、法律に違反する方法やグレーと呼ばれている方法を実行してしまうと、脱税行為となり追加徴税されてしまうリスクもあるので、やり方には十分な注意が必要です。

節税の種類
節税には、主に2つの種類があります。1つ目が、繰延型の節税対策です。これは直近で支払わなくてはならない税金を後回しにすることです。手元に資金がない時や、キャッシュを確保したいときに行います。
2つ目は永久型の節税対策です。これは、将来に影響を与えることなく、支払う税金を減らす節税方法となります。これから節税に取り組む方は、どのテクニックがどちらの種類になるかを把握しながら実行していきましょう。
節税をする際の注意点
節税を行う際には、「無理をしない」ことが鉄則です。「グレーになるけど、これを実行すれば安くなる」などギリギリを攻めようとすると、脱税とみなされるリスクが増えます。もちろん、本来は存在しない経費を計上するといった、明らかな脱税行為も絶対にやめましょう。
万が一その瞬間は支払うお金が減ったとしても、後から調査が入り、悪質だと「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」が課されます。これではお金が減るだけではなく、自身が刑務所に入ることになったり、「あの会社は脱税で捕まった」というネガティブなイメージがついたりと、あまりにも大きい代償をはらうことになります。また、その後も事業を続けるにしても、銀行からの評価が下がり融資が降りなくなることもあるでしょう。
節税の方法
節税には大きく分けて2種類の方向性があります。

損金を増やす
損金とは、企業の純資産を減らす原価・費用・損失のことです。法人税は企業の利益や資産をベースに計算されるため、純資産が少なければ少ないほど、税金も安くなります。例えば手元に500万円があったとして、そのまま法人税を計算するよりも、100万円分を事業で使う物品やサービスの購入に支払い、400万円として計算した方が税負担が軽くなります。
特別償却と特別控除を活用する
特別償却とは、「取得価格✕30%」を減価償却額にプラスできる仕組みです。例えば車やソフト、機械設備などが当てはまります。特別控除とは、算出された法人税額から一定額を控除する仕組みです。取得価格の7%が控除額となり、最大法人税額の20%までが認められます。
節税のテクニック
具体的にどうすれば節税ができるのか、具体的なテクニックをご紹介します。いずれも法に触れない適切なやり方ですが、度が過ぎると税務署から指摘されるためやりすぎには注意しましょう。
赤字分を繰り越す
赤字決算が発生したら、赤字分を繰り越し黒字の年度の所得と相殺できます。これは欠損金の繰越控除と呼ばれる方法で、10年分の繰り越しが認められます。赤字分を引いて黒字の金額が小さくなるため、法人税の金額が小さくなります。
福利厚生を充実させる
福利厚生を充実させることで、従業員の満足度を高めながら節税ができます。例えば社員の健康診断、社員旅行、社内イベントなどにかかる費用はすべて経費です。また、家賃補助も対象となるため、大きく節税ができます。その他、内容にもよりますが従業員の労働環境向上や労働の質向上のためにかかったお金は、経費となる可能性があります。
在庫を処分する
在庫はそのまま置いておくと資産になりますが、処分することで経費となります。原価よりも安く売却すると、差額は売却損として計上。また、不良在庫など評価額が原価よりも低くなってしまった場合は、差額は評価損となります。売却できない在庫については、廃棄損として原価が全額経費になります。
備品を購入する
業務に使う備品を購入すると、経費として計上できます。椅子や机、モニター、工具、パソコンなど、内容は問いません。例えば料理家であれば鍋や包丁といった調理器具が備品として認められますし、メイクアップアーティストであれば化粧品を経費で購入することが可能です。事業と関連性が低いものの場合は認められないため、注意しましょう。
社用車を購入する
社用車を購入すると、購入金額だけでなくその後生まれるランニングコストも費用として計上できるため、非常にお得です。車検費用やガソリン代、保険料などが定期的に発生し、年間である程度の金額になります。ただし、必要以上に高級な車や、車がいらない事業を展開している場合は脱税と見なされるリスクがあるため注意してください。
接待交際費を使う
接待交際費とは、取引先との関係を構築するために支払った費用です。例えば懇親会を開いたら、そこでの飲食費は接待交際費となります。その他、取引先で発生した慶弔の支出やお中元・お歳暮といった季節の挨拶品の購入代、お土産代なども含まれます。資本金1億円以下の中小法人の場合、飲食費の50%もしくは年間800万円以下まで計上可能です。
旅費交通費を使う
役員や従業員が業務上必要な移動をする場合、その費用は経費となります。通勤電車の定期代をはじめ、取引先に向かうタクシー代や出張で乗った新幹線や飛行機代、出張先で借りたレンタカーの代金なども含まれます。
役員報酬を増やす
役員報酬は経費となるため、金額が大きくなればなるほど節税になります。注意点は、事業年度開始から3ヶ月以内しか変更できないことです。また、増額した分だけ所得税と社会保険料も高額になります。
短期前払費用の特例を利用する
短期前払費用とは、特定の支出は1年分の前払いとして損金計上できる仕組みです。適用できるものの例は、下記の通りです。
土地・建物の賃料
システムのリース料金
機械・備品の料金
各種サービス利用料
各種保険料
年間購読料金
未払費用を利用する
現時点では発生していなくても、今後発生する費用は未払い費用として計上できます。例えば従業員の給料を3月30日に締めたとしても、実際に振り込むのは4月25日といったケースでは、3月の決算時点で4月に振り込む分の給与を未払い費用にすることが可能です。
保険や共済に加入する
保険料や共済にかかる金額は、損金として計上されます。養老保険は支払い保険料の50%、年金保険は支払い保険料の10%が損金となります。生命保険も法人として加入すると、保険料の半額または全額が経費になります。
また、中小企業倒産防止共済に加入すると、支払った金額を損金として計上可能です。個人事業縫いの方や小規模企業の役員などは、小規模企業共済も利用できます。
弥生会計で適切な法人税の節約を
節税で重要なのは、発生した経費をしっかりともれなく入力し、誤りのないよう仕訳することです。しかし簿記の知識がなければうっかりミスをしてしまい、それが脱税行為とみなされるリスクもゼロではありません。
そこでお勧めなのが、弥生会計です。知識がなくとも非常にわかりやすいデザインで、かかった経費などを入力。仕訳などもミスなく行えます。節税対策に使う時間を本業に費やすこともでき、事業を拡大するのに役立つでしょう。ぜひ一度、弥生会計をお試しください。

