企業の経理担当になった方や、独立して自分で会計を行わなくてはならなくなった方にとって、発生主義、現金主義、実現主義という言葉は聞きなれないかもしれません。
しかしこれらは経理を正しく行う上で、必要な知識です。そこで今回は、この3つの主義について解説します。
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日本の企業会計原則
日本では、企業会計原則として一般原則、損益計算書原則、貸借対照原則の3つが適用されています。
一般原則
一般原則には、7つの項目があります。1つ目は、真実性の原則です。これは、企業は正しい経営状況を報告しなければならないというもので、真実を報告することが義務付けられています。2つ目は、正規の簿記への原則です。網羅性、検証可能性、秩序性の3要件を満たした簿記をつけ、正確に財務諸表を作らなくてはなりません。
3つ目は、資本取引・損益取引区分の原則です。これは、資本余剰金と利益余剰金などを混同せず、資本取引と損益取引はしっかりわけるということを示しています。4つ目は、明瞭性の原則です。財務諸表を作り、ステークホルダーには会計事実をわかりやすく伝えなくてはなりません。
5つ目は、継続性の原則です。一度どの会計処理方法にするか選択したら、正当な理由がない限り翌期以降も継続して適用します。6つ目は、保守主義の原則です。利益は慎重に、損失は素早く計上することで、健全な会計処理が求められます。7つ目は、単一性の原則です。これは、恣意的に表示をゆがめてはならず、二重帳簿の作成などは禁止しています。
損益計算書原則
損益計算書原則では、企業の収益と費用を記載して経常利益を計算し、特別損益も計上することで当期純利益を表示することを目的としたものです。ここでは、次に詳しく説明する発生主義の原則についても定めれられています。
また、総額主義の原則があるため、費用と収益はすべて記帳し、お互いを相殺して損益計算書に書かないというやり方は認められません。さらに、費用と収益はそれぞれ分類し、収益項目と費用項目を対応表示させる費用収益対応の原則も定められています。
損益計算書では営業損益計算、経常損益計算、純損益計算、未処分損益計算を区分する必要があり、その他営業利益や営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益、当期純利益、当期未処分利益についてもルールが定められています。
貸借対照原則
貸借対照原則は、5つの原則にわけられます。1つ目が、貸借対照表完全性の原則です。これは、企業の財政状況を明らかにするため、資産、負債、資本をすべて記載し、ステークホルダーに正しく情報を提供することを指しています。2つ目が、総額主義の原則です。資産、負債、資本は総額を記載し、資産と負債や資本を相殺することで記載をカットはできません。
3つ目が、区分表示の原則です。資産、負債、資本にわけ、資産は流動資産、固定資産、繰延資産にわけること、そして負債は流動負債と固定負債に分けることを定めています。4つ目が、取得原価主義の原則です。原則として、資産の価額は取得時の数字を計上します。5つ目が、費用配分の原則です。固定資産は減価償却をするなど、資産の種類に応じた費用配分を実行します。
会計における3つの主義とは
企業における会計は、基本的に3つの主義が存在しています。それぞれ考え方が異なるので、個人事業主の方や企業の会計に関わる仕事をする方は、どのような違いがあるのか理解しておきましょう。

発生主義とは
発生主義とは、企業における費用を計上するときに適用される方法です。毎日の取引の中で、記録をいつ取るかという問題があります。発注をした時か、商品が届いた時か、振り込みがあった時かなど、考えうるタイミングは複数あるでしょう。
発生主義とは、取引が発生した時点で記録するというルールです。現金での支払いの有無にかかわらず、取引が成立した時に帳簿を付けます。現金主義と比べると買掛金、未払金、売掛金、未収金などの金額を把握しやすいです。また、資産の減価償却の計上ができますし、費用を均等配分することも可能です。財政状況の把握が正確なため、将来的に納税する金額も予測しやすくなります。
実現主義とは
実存主義とは、企業における収益を計上する時に適用される方法です。実際に発生していない段階で計算に入れてしまうと、「トラブルやキャンセルがあり予定されていた収益が入らなかった」といったようなケースに備えて、収益は費用と違い実存主義が適用されます。
現金主義とは
現金主義とは、現金の授受が発生した段階で会計処理する方法です。現金の動きに合わせて帳簿をつけるだけなので管理コストが低く、不正をしにくい点が大きなメリット。一方で、将来的に発生する費用や、過去に生じた収益について現金主義で計算してしまうと、期間総益計算ができないというデメリットがあります。
例えば5万円の商品を仕入れる場合、仕入れをした時点では何も帳簿に書きません。実際に5万円を支払った段階で、借方に仕入れ高5万円、貸方に現金5万円を記録します。
実際に活用されている3つの会計方法
実現主義の会計
実存主義は、収益を計上する時に活用します。例えば、商品が300万円分売れたものの、当期に属しているのは200万円分で、残りの100万円分は翌期の扱いになるとします。この場合、決算時には300万円を売上高と前受収益を、借方と貸方にわけます。
発生主義と現金主義の会計
発生主義と現金主義は、それぞれ仕訳が異なります。以下、例を出して解説します。
8月に20万円分の商品を掛けで仕入れ、9月に現金で支払い、受け取った商品をは掛けで25万円で売り、10月に振り込まれた場合。
【発生主義】
8月
借方:仕入れ高 20万円
貸方:買掛金 20万円
9月
借方:買掛金 20万円、売掛金 25万円
貸方:現金 20万円、売上 25万円
10月
借方:普通預金 25万円
売掛金:25万円
【現金主義】
8月
記帳なし
9月
借方:仕入れ高 20万円
貸方:現金 20万円
10月
普通預金:25万円
貸方:25万円
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上記のように、日本では企業の会計に関するルールが細かく定められています。意図的でなくともミスをしてしまうと、脱税と見なされ追加徴税を受けるリスクがあります。
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