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顧問税理士の選び方・税理士と契約するメリットとデメリット

企業を経営する方や個人事業主として開業している方は、毎年の税務申告は必要な作業です。

売上が多くなるにつれて会計業務は複雑化していき、膨大な時間がかかってしまうことは珍しくありません。また、誤った内容で税務申告をしてしまうと、後に修正申告が必要になることもあるでしょう。また、資金調達する上で「資金調達が得意な税理士」と契約していれば、自力でやるよりも多くの資金を得ることができます。

企業はもちろん、個人事業主でも顧問税理士がいるだけでさまざまなメリットが得られます。

そこで今回は、税理士と顧問契約を結ぶメリットとデメリット、顧問税理士を選ぶポイントについて解説します。

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顧問税理士とは

士業の1つである税理士は国家資格で、税理士法で定められた独占業務を行える税の専門家です。税理士には独占業務として、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つが定められており、その他にも経営コンサルタント業務などを行うこともあります。

顧問税理士とは、一定期間で顧問契約を結んだ税理士を指します。顧問税理士は企業や個人事業主などと契約を結び、契約期間内で税務や経営に関するサポートを行います。顧問税理士の具体的な業務内容については、以下で詳しく解説します。

税理士事務所と税理士法人の違いとは?

税理士を探していると、「税理士事務所」「税理士法人」「会計事務所」など異なる表記がいくつか見られるはずです。税理士法第40条2項では、「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する。」と定められていることから、税理士法上では税理士が設立する事務所はすべて税理士事務所となります。しかし異なる表記があるのは、事務所の規模や業務内容によって呼び方を変えていることが理由です。

税理士1名のみの事務所は税理士事務所と称しますが、2名以上の税理士が在籍する事務所は税理士法人とされており、100名以上の税理士が在籍する大規模な税理士法人も存在します。そして会計事務所は、コンサルティング業務などに特化した事務所であることが一般的です。

つまり顧問税理士を依頼するにあたっては、上記3種類すべてが検討対象であるといえます。

顧問税理士が担当する仕事と役割

契約を結んだ相手に対して、顧問税理士は税理士の独占業務を元に、以下に挙げる仕事や役割があります。

経理業務代行

たとえ小規模な企業や個人事業主であっても、毎日帳簿付けなどのお金の管理を続けることは簡単ではありません。税の知識がない場合は特に、経理作業が誤っている可能性もあり、確定申告の時点で数字が合わないということもあり得ます。すると、経理業務への負担が大きくなってしまうでしょう。

顧問税理士に任せれば、専門的な知識を持つ税理士が記帳代行や会計ソフトへの入力などの基本的な経理業務を行ってくれます。また、給与計算や年末調整などを代行してくれるため、確定申告以外でも毎月の経理業務のサポートが可能です。

税務申告にかかわる業務

経理業務に関わる業務ですが、毎年必ず行うべき税務申告でも、顧問税理士がサポートしてくれます。もし誤った内容で税務申告をした場合、故意かどうかにかかわらず延滞税や加算税などが課されることがあるため、正しい内容できちんと申告をしたいところです。そこで顧問税理士に税務申告をまかせれば、税理士の独占業務である税務署類作成も担当してもらえるので税務申告の誤りを防ぎ、正しい内容で申告が可能です。

顧問税理士との契約には費用はかかるものの、延滞税や加算税を支払う必要が無いと考えれば、顧問契約の費用はプラスになると考えられるのではないでしょうか。

税務に関する相談受付やアドバイス、節税対策

税務相談ができるのは、税務のプロである税理士のみです。対面での相談はもちろん、電話やメールで相談できることもあります。顧問税理士がいれば、日常的な税や経理に関する疑問を相談して解決できたり、社内のお金に関するさまざまな相談も可能です。

顧問税理士は契約した企業の状況を把握しているため、その内容に沿ったアドバイスもできます。正しい節税対策に関するアドバイスも受けられるので、節税対策をしようとしたものの、誤った方法で追徴課税を課されてしまった、というトラブルも未然に防げるでしょう。

税理士と顧問契約をするメリットとデメリット

税理士と顧問契約をするには一定の費用がかかりますが、その分得られるメリットも多くあります。具体的には、以下の4点です。

専門知識に基づくアドバイスを受けられる

税理士は税の専門家なので、当然ながら税に関する専門知識が豊富です。社内の経理をはじめとして、正しい節税対策や資金繰りなど、税の知識に基づいたお金に関する的確なアドバイスがもらえます。

また、顧問契約を結んでいたとしても、税理士は企業の一員ではありません。しかし、第三者からの視点で客観的に企業の経営に対するアドバイスをもらえる点はメリットとなるでしょう。

正しい税務申告ができ本業に集中できる

税理士に依頼せずに税務申告を行うことは、かかる労力が多くなってしまいます。税理士がいない場合、企業では自社の社員、個人事業主であれば自力で帳簿付けや税務書類作成、申告までの一連の作業を行わなければなりません。中には複雑な内容の書類もあるため、税の知識がなければ時間もかかってしまいます。

税理士と顧問契約を結んでいれば、これら一連の税務申告に関わる作業をすべて税理士に丸投げできます。税務申告に関わる面倒な記帳や税務申告を任せられるので本業に集中でき、作業効率がアップするでしょう。

税務申告時のみスポット的に税理士へ依頼も可能ですが、顧問契約を結んでいる方が普段から会社のお金の流れなどをきちんと把握してもらえる上、後に解説する税務調査などに備えられる顧問契約がおすすめです。

税務調査に対応してもらえる

必ず行われるものではないものの、申告内容について任意で税務署による税務調査が行われることがあります。税務調査は税務調査官と対面で行われるので、税の知識がない社員が対応にあたると、場合によっては調査官の質問に誘導されてしまい自社に不利な回答で不備を認めなければならない事態も考えられます。

対面調査となるため、税の知識が十分ではないと税務調査が入ることに不安を感じることも多いでしょうが、顧問税理士がいれば税務調査に対応してもらえます。税務調査にあたって必要となる書類の準備や調査当日の立ち会いも依頼できるため、余計な心理的負担を感じることも少なくなるでしょう。もし税務署の決定に不服がある場合も、顧問税理士が不服申立を行ってくれます。

また、税務調査の連絡は会社よりも先に顧問税理士へ届きます。税務署からいきなり会社へ連絡が来ることがなくなる点も、心理的負担の軽減となるのがメリットです。

対外的な信用度がアップする

顧問税理士が税務申告などの書類を作成すると、担当した税理士のサインが入ります。これだけで税の専門家である税理士が確認・作成した書類である証明となり、経理担当者や個人が作成した書類よりも税務署に対する信用度が上がります。

また、決算書や確定申告書は、金融機関から融資を受ける際にも必要となりますが、その際に税理士のサインがない書類は不利になってしまいます。反対に、税理士が確認・作成したことを証明できるサインがある書類であれば、金融機関に対しても信用度がアップする点は大きなメリットです。

顧問契約を結ぶデメリットは?

税に関するさまざまな手続きや問題などをサポートしてくれるため、税理士と顧問契約を結ぶことは上記のように多くのメリットがあります。デメリットと言えるのは、やはり費用に関する点でしょう。

顧問税理士と契約を結ぶには、毎月顧問料の支払いが必要となります。企業は毎月3万5,000円程度、個人では1万5,000円程度が顧問料の相場ですが、年間売上が上がるにつれて顧問料も上がります。さらに、税務申告時には決算申告料が別途かかります。

一定規模の企業や軌道に乗っている企業では、顧問料はさほど負担にはならないこともあります。しかし、起業したばかりの会社や売上高の少ない個人事業主にとっては、顧問料が金銭的な負担になることがデメリットです。

個人事業主は顧問税理士と契約するべき?

企業が税理士と顧問契約を結ぶことは比較的一般的ですが、企業と同様に税務申告が求められる個人事業主が税理士と契約するケースもあります。では、どのような場合に税理士に相談や依頼をすればいいのでしょうか。

個人事業主に顧問税理士が不要といわれる理由とは

売上が少ない個人事業主のお金の流れは、企業ほど複雑ではない場合が多いものです。たとえ税の知識がないとしても、インターネット上に多数の税に関する情報や確定申告の手順などが掲載されているため、ネット検索で得た情報でも何とかなる、と考える人が多いのが、顧問税理士が不要といわれる理由の1つでしょう。

また、近年はパソコン上で利用できる会計ソフトや、オンラインでデータ連携などを自動で行ってくれるクラウド型の会計システムも普及しています。これらのソフトがあれば、専門的な税の知識がなくても日々の帳簿付けや確定申告がしやすく、税務署類も自動的に計算をして作成してくれることも、顧問税理士と契約するまでもないといわれる理由となっています。

個人事業主でも顧問契約は有効な手段に

企業と比較すると小規模であるため顧問税理士との契約の必要性を感じていない方も多いのではないでしょうか。個人事業主であっても、得られるメリットと起こり得るデメリットは前述したものと同様です。自力での確定申告の手続きに問題がない、またはそこまで規模が大きくなく経費の計算が複雑ではないケースが多い個人事業主には、必ずしも顧問税理士は必要ありません。

個人事業主は企業よりも規模が小さく、売上も少ない場合がほとんどです。しかし、個人事業主であっても税理士と顧問契約を結ぶメリットはあります。個人事業主であっても、税の知識を必要とする確定申告を正しく行うには顧問税理士との契約は有効な手段となるでしょう。

顧問税理士への依頼がおすすめの個人事業主とは

特に、以下に当てはまる個人事業主は、顧問税理士と契約を結ぶのがおすすめです。

・1,000万円以上の売上がある
・取引数が多い
・節税したい
・法人設立を検討している

売上高や取引数が多い個人事業主は、特に顧問契約をおすすめします。記帳や税務書類の作成に手間がかかってしまい、税務署類作成だけでも手間と時間がかかってしまうからです。その他にも、節税対策をしっかりと行いたい個人事業主は、顧問税理士に業績を把握してもらうことによって最適な節税対策を講じられることが期待できます。

売上が増加して今後法人設立を検討している、予定している個人事業主も、顧問税理士への依頼がおすすめです。売上が多い分、税務書類の作成が煩雑になることに加えて、法人化すると必要書類がさらに増えるからです。法人設立後も見据えて、引き続き同じ顧問税理士に相談できるメリットもあるので、法人化する場合も顧問税理士へ依頼してみましょう。

個人事業主が税理士との顧問契約を検討するべきタイミング

個人事業主にとっても顧問税理士の存在はメリットが多いですが、個人事業主が税理士との顧問契約を検討するにあたってベストなタイミングは、以下の通りです。

開業したとき

個人事業主として開業するには、開業届の提出が必要です。開業届には提出期限が定められているため、税理士に開業時から依頼しておけば、期限内に正しい内容で届け出ができます。また、開業届を提出すると青色申告が可能となりますが、青色申告は白色申告よりも必要書類が多く、内容も複雑です。このような青色申告に備えるためにも、顧問税理士との契約は有効な手段となります。

しかし、すべての個人事業主におすすめできるとはいえません。個人事業主として開業したばかりの人はまだ売上がさほど多くはなく、安定していないことも多いものです。そのような状態で顧問税理士と契約をしても、顧問料が負担になる恐れがあります。開業しても売上がまだ少額で、税務申告にかかわる業務が重い負担ではない限り、顧問税理士との契約はまだタイミングを見計らった方がいいでしょう。

売上が増加したとき

売上が増えると、経費などの計算がより複雑になります。1,000万円以上の売上があると消費税の支払いも必要であるため、書類作成などにかかる手間や時間も増えるでしょう。企業と同様に、顧問税理士がいれば売上増加によって増えた業務も任せられるメリットがあります。

顧問税理士を選ぶポイント

顧問税理士を選ぶときは、できるだけ良い税理士に依頼をしたいと思うのは誰でも同じではないでしょうか。条件に合う、自社に最適な顧問税理士を選ぶときは、以下のポイントをチェックしてみましょう。

税理士事務所の規模をチェック

前述した通り、税理士事務所は税理士の在籍人数や業務内容によって税理士法人や会計事務所となる場合があります。この名称を確認すれば、税理士事務所の規模がある程度把握できます。

税理士は、専門分野やキャリアによって得意とするジャンルが異なります。できるだけ自社の業務に合った税理士に依頼したい場合は、税理士の在籍人数が多く幅広い業種に対応できる人材が揃った大規模な税理士法人が適しています。

とはいえ、必ずしも大規模な税理士法人ばかりが良いとは限りません。1名のみ在籍の税理士事務所や少人数の税理士法人でも、身近で親身になって相談やアドバイスを行ってくれる税理士が見つかる可能性もあります。税理士事務所の規模と併せて、ニーズに合った税理士がいるかどうかも確認したいところです。

サービス内容を確認

顧問税理士に依頼できるサービス内容は、税務相談や税務申告書類の作成・申告や税務調査の立ち会いなどがあります。顧問契約を結んでいれば、このようなサービスを受けられるのが一般的ではありますが、詳しいサービス内容は税理士事務所によって異なります。つまり、税務申告や経理業務の代行のみでとどまることもあれば、経営や助成金の申請などのアドバイスまで積極的に行ってくれるなど、どこまで依頼できるのか、サポートしてくれるかなどのサービス内容は税理士事務所によって差があるのです。

顧問契約を結んだ後に、想定していた業務を依頼できないというミスマッチを防ぐためにも、契約後に税理士に依頼できる業務内容は確認しておきましょう。

相談しやすいかどうか

税理士に得意・不得意があるのと同様に、税理士が合う・合わないも企業によって変わります。自社の事業内容が得意かどうかも税理士を選ぶポイントの1つですが、税理士との相性も重要なポイントです。

顧問税理士は、経営や資金繰りなどの相談に乗ることもあります。人間同士のコミュニケーションが必要不可欠であるため、相談しづらい、話しづらい税理士は不向きです。そのため、相談しやすく相性が良いと感じられる税理士を選ぶのがベストです。

相性の良さをチェックするには、契約を結ぶ前に実際に税理士と面談を行って話をしてみましょう。相談に対して親身になってじっくりと話を聞いてくれるか、スムーズにコミュニケーションが取れるかどうかを複数名の税理士で確認し、相談しやすく相性が良いと感じた税理士に顧問契約を依頼するのをおすすめします。

まとめ

顧問税理士は、企業や個人事業主の面倒で手間がかかる税務申告にかかわる業務をはじめとして、税務や経営に関するアドバイスや税務調査への対応など、経営に大きく関わる幅広い業務を任させられる存在です。個人事業主の場合は売上などによっては顧問税理士は不要となることもありますが、煩雑になり経理や税務に関する業務が負担になったとき、または売上高が増えたときは、顧問税理士との契約を検討してみましょう。

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この記事を書いた人

Iku

フリーランスメディア編集部。
歴10年以上のWebライター。

在宅ライターの副業をきっかけに、専業ライターとして開業。
主にコラム記事、ニュース記事を執筆。

パソコンとネット回線さえあればどこでも仕事ができる環境を活かし、コロナ前は1年の半分を海外で、現在は日本国内のどこかと自宅を行ったりきたりの生活をしながら自由に働いています。

趣味は旅行、音楽フェス・コンサート。