「知見」とは実際に見たり聞いたりして、獲得した知識のことです。ビジネスシーンでは専門分野に詳しい人から知見を聞いたり、知見を求められたりすることがあります。知見の意味や使い方を理解し、すぐに対応できるように準備しておきましょう。
この記事では、知見の意味や類語などの基本知識に触れながら、使い方を例文付きで紹介します。また、知見を広げてビジネスに生かす方法をまとめました。
「知見」の意味とは?

「知見」とは、漢字のとおり実際に見たり聞いたりして得た知識のことです。本を読んだり話を聞いたりして学習することももちろん大切ですが、物事には実際に体験してみないとわからないことも少なくありません。知見は「体験」のニュアンスを含んでいるため、知見を聞かれるときは、体験をもとに得た見解や考察などを求められている場合が多いでしょう。
ビジネスシーンにおける「知見」の意味とは?
ビジネスシーンでは「知見をお聞かせください」など、知見を聞いたり話したりする場面があります。大きく意味が変わることはありませんが、英語の「knowledge(ナレッジ)」と同じ意味で使われるケースがある点に注意しましょう。
ナレッジとは「企業にとって有益な情報・事例・ノウハウ」「付加価値がある体験」などを指す言葉です。知見を聞かれるときは体験そのものではなく、企業成長につながる情報や事例などを求められているケースが多いでしょう。ビジネスシーンでは一般的な意味よりも、「企業にとって有益な情報が含まれているか」などが重視されます。
「知見」と「知識」の違い
知見と似た意味で使われる言葉として、「知識」「経験」などがあります。知識とは、情報を知ること・理解することを指す言葉です。知見には自分の体験が含まれますが、知識には必ずしも含める必要がありません。体験をもとにした有益な情報など、知見のほうがより踏み込んだ深い内容を求められていることがわかります。
「知見」と「経験」の違い
経験とは実際に見たり聞いたりした出来事のことです。知見とほぼ同じ意味で使われることもありますが、含まれるニュアンスに違いがあります。
経験は現地に行ったり、人に会ったりする行為そのものを話すときに使われる言葉です。「経験によってどのような見解を得たか」「企業成長につながる情報は得られたか」などの知識は必ずしも加える必要はありません。一方、知見は体験によって得た知識を話すときに使います。行為そのものだけでなく、自分が考えたことや気づきなどを加える必要があります。
ビジネスシーンではどう伝える?「知見」の使い方・例文

知見は「知見する」のように動詞として使うこともできますが、ビジネスシーンではあまり使われていません。「知見がある」「知見を広げる」など、名詞として使われるのが一般的です。知見を伝えるときは、以下のような言い回しがあります。
- 知見を得る
- 知見を広げる・深める
- 知見がある
知見を得る
「知見を得る」とは初めてのことに挑戦したり、今までにない視点でものごとに取り組んだりすることで、新しい知識を得ることです。「知見を得る」の例文は以下のとおりです。
- プロジェクトへ参加し、今まで知らなかったマーケティングの知見を得ることができた
- 先輩から話を聞き、業界の取り組みについて知見を得た
知見を広げる・深める
「知見を広げる」とは知識の幅を広げたり、今までしたことがない経験をすることです。一方「知見を深める」は、今まで身につけた知識を深掘りし成熟させていくことを指します。「知見を広げる」「知見を深める」の例文は以下のとおりです。
- 営業の知見を深めるために、セミナーに参加した
- 専門家の方に話を伺うことができ、さらに知見が深まった
- 異業種の方々との交流は、知見を広げるきっかけになった
知見がある
「知見がある」は「すでに特定の分野に精通している」「有益な情報を獲得している」という状態を指します。「知見がある」の例文は以下のとおりです。
- 私はSNSを使ったマーケティング施策についての知見があります
- 部長は今回のプロジェクトについての知見をお持ちです
目上の人への「知見」の聞き方は?
あまり詳しくない分野や専門的な話などに触れるときは、ほかの人に知見を聞くとよいでしょう。目上の人に知見を聞くときは「ご知見」といい、以下のような言い回しがあります。
- ご知見をお借りする
- ご知見をいただく
- ご知見をお聞きする
ご知見をお借りする
「ご知見をお借りする」の例文は以下のとおりです。
- 施策を決めるにあたって、部長のご知見をお借りすることは可能でしょうか
- 今回の課題について、外部講師の方のご知見をお借りしようと考えています
ご知見をいただく
「ご知見をいただく」の例文は以下のとおりです。
- 計画を見直すにあたって、皆さまのご知見をいただけますでしょうか
- 新技術の導入をすすめるために、IT部門のご知見をいただきたいです
ご知見をお聞きする
「ご知見をお聞きする」の例文は以下のとおりです。
- 今回のプランについて、ご知見をお聞かせいただけますでしょうか
- 課題についてのご知見をお聞きしてもよろしいでしょうか
スキルアップに効果的!知見を広げてビジネスに生かすには?

ほかの人とは違う経験をしている人や深い知識を持っている人などは、ビジネスでも考え方が評価されることがあります。知見を広げてビジネスに生かすには、以下の方法を取り入れてみましょう。
多様な価値観・年代の人と交流する
話す人が固定されていたり、同じ環境に身を置いていたりすると、気づかないうちに視野が狭くなってしまいがちです。普段接することがない業種や年代の人と交流することは、新しい価値観に触れるきっかけになります。今まで知らなかった考え方や視点に触れることで、業務の取り組み方も変わってくることでしょう。
さまざまな分野に興味関心を持つ
業務に関係がある分野や趣味など、関心がある分野は案外限られているものです。「本屋で知らない分野の書籍を眺めてみる」「美術館に行ってみる」など、興味関心を持つ領域を広げることを意識しましょう。一見すると業務に関係がないように見えても、今までにない斬新な視点がアイデアを生むケースもあります。
ほかの人とは違う経験を持つ
「周りの人は経験していないかも」と感じることは、積極的に挑戦しましょう。そのような経験を重ねることで、同僚やチームメンバーなどとは違う考え方ができるようになります。多面的な視点を養うことができ、創造性や問題解決能力の向上にもつながるでしょう。
「自分はできる!」というマインドセットを持つ
知見を広げるには、知らない分野の勉強をしたり行ったことがない場所に足を運んだりと、新しい挑戦が必要です。しかし「どうせ自分には無理だ」「努力しても変わらないだろう」という気持ちがあると意欲が湧きづらいでしょう。知見を広げたいと思うものの、なかなか前向きな気持ちになれない人は、まず自分の内面と向き合うことからはじめる必要があります。
知見を広げて生産性・創造性を高めよう
「知見」とは見たり聞いたりした経験から、導き出した知識のことです。「体験」「知識」などと似た意味で使われることもありますが、それぞれ異なるニュアンスがあるためしっかりと使い方を知っておきましょう。
知見を広げることは「こうするべきだ」「こう考えなければならない」という先入観を払拭し、創造性を高めることにもつながります。今までにない新しい考え方を取り入れ、ビジネスに革命を起こすきっかけにもなるでしょう。日頃からさまざまな分野に興味を持ち、異なる価値観や環境などを柔軟に受け入れる姿勢を持つことが大切です。

