ビジネスシーンで相手に物を渡すときに、「お納めください」と使うケースがあります。しかし、誤った方法で使うと相手に不快感を与えてしまうため注意が必要です。今回の記事では、「お納めください」の意味について詳しく解説します。ビジネスシーンでの使い方・例文も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「お納めください」の意味を解説

「お納めください」とは、「受け取ってください」という意味です。「納める」の敬語表現で、上司や取引先など目上の人に対して物を渡すときに使用するのが使用します。ただし、部下などの自分より立場が低い人に対しては使わないため注意が必要です。
「おさめる」の使い分け
「納める」の同音異義語として、「収める」「修める」「治める」が挙げられます。それぞれの意味と使い方は以下の通りです。
| 単語 | 意味 | 使い方 |
| 納める | ・決まった場所に収納する・あるべきところに落ち着く | ・注文の品を納める・税金を納める |
| 収める | ・中にしまう・記録する・良い結果を得る | ・記録に収める・金品を収める |
| 修める | ・心や行いを整える・学問を身につける | ・身を修める・文芸を修める |
| 治める | ・物事が落ち着く・安定した状態にする | ・騒動を治める・頭痛が治まる |
「収める」は「納める」に最も意味が似ており、使用シーンが多い言葉です。金品には「収める」を使いますが、税金や公共料金など義務を伴う場合は「納める」を使うため注意が必要です。漢字によって意味が異なるので、しっかり使い分けられるようにしましょう。
「お納めください」と「ご査収ください」の違い
「ご査収ください」は、「内容を十分に確認して受け取ってください」という意味を持ちます。ビジネスシーンでは、資料を添付したメールや書類を送付する場合に使用されるケースが多いです。上司や取引先など目上の人に対して使うこともできますが、「ご査収くださいますよう」「ご査収のほど」でより丁寧な表現になります。
「お納めください」の使い方・例文

「お納めください」は物を渡す際に、丁寧さを添えたいときに適している表現です。
「わずかですが、本日の御礼でございます。どうぞお納めくださいませ」
お世話になった人に対して、お礼としてお金を渡すときに使える表現です。「お納めくださいませ」は「受け取ってください」よりも丁寧な印象を与えられます。
「つまらない物ですが、お納めください」
取引先の相手に対して手土産を渡す際に使うことができます。「つまらない物」は「自分が持ってきた物は、つまらなく感じられると思いますが受け取ってください」と自分をへりくだる表現です。
「いつもお世話になりありがとうございます。心ばかりの品ですが、お納めください」
「心ばかりの品」とは、「ほんのささやかな品」という意味を持ちます。自分の送り物を謙遜するときに使う表現です。お世話になっている人に対して、お中元やお歳暮などを渡す際に使うことができます。
「お納めください」に対する適切な返事
「お納めください」と言われた場合は、「ありがとうございます」とまず先に感謝の気持ちを伝えることが大切です。その後に、「頂戴します」「いただきます」と答えましょう。メールなど文章で返答する際は、「この度は御礼の品を頂戴しまして、ありがとうございました。お心遣いをいただき誠に恐れいります。」というような表現が適しています。
「お納めください」を使用するときの注意点

「お納めください」は丁寧さを添えられる表現ですが、使う場面や相手が限られています。
部下や同僚には使用しない
「お納めください」は尊敬語なので、部下や同僚に使うのは不適切です。目上の人以外に受け取って欲しい場合は、「お納めください」ではなく「受け取ってください」を用いるのが一般的です。
書類を送付するときは使用しない
書類を送付する際は、「お納めください」は使わないようにしましょう。「納める」は「受け取って中にしまう」という意味があるので、社内外に送付する際は「査収する」「確認する」という表現が適しています。
結婚式などおめでたい席で使用しない
「納める」には「物事を終わらせる」という意味もあるため、不快感を抱く人も中にはいます。ご祝儀を渡す際は、「ささやかですがお祝いの気持ちです」など一言添えると良いでしょう。
給料や代金には使用しない
「お納めください」は感謝の気持ちを伝える表現であるため、給料や代金に使用するのは不自然です。給料や代金の受け渡し時には、「支払う」という表現を使用しましょう。
「お納めください」の言い換え

「お納めください」は丁寧な印象を与えたいときに使う表現ですが、相手や場面によって不適切なケースがあります。「お納めください」の言い換えも把握したうえで、使い分けるようにしましょう。
「ご笑納ください」
「ご笑納ください」とは、相手に対して何かを提供した際、その内容が完璧でないかもしれないという謙虚な気持ちを表す言葉です。直訳すると「笑って受け入れてください」という意味で不足や欠点があることを認めつつも、それを温かく受け止めてほしいという願いが込められています。「ご笑納ください」を使用した例文は以下の通りです。
- 拙い作品ですが、ご笑納くださいませ。
- たいしたものではありませんが、ご笑納ください。
- 今日の発表は至らない点も多いですが、ご笑納ください。
「ご笑納ください」はビジネスシーンやプレゼンテーション、作品の提出などさまざまな場面で使われる表現です。
「ご受納ください」
「ご受納ください」は「納める」とほぼ同様の意味を持ち、金品や贈り物を渡す際に使用されます。主にビジネスシーンで使われる敬語で、相手への敬意と丁寧な依頼のニュアンスが込められています。「ご受納ください」を使用した例文は以下の通りです。
- この度は弊社の提案をお聞きいただき、誠にありがとうございます。提出させていただいた資料をご受納ください。
- ご多忙の中、お時間をいただき、心より感謝申し上げます。会議の議事録をまとめましたので、ご受納ください。
- 寄付金の件でご協力いただき、ありがとうございます。添付の領収書をご確認の上、ご受納ください。
「ご受納ください」はビジネス文書やメールでよく見られ、フォーマルな印象を与えられる表現です。
「お受け取りください」
「お受け取りください」とは、何かを相手に手渡す際に使われる丁寧な表現です。このフレーズは商品や書類を顧客に渡すときなど、幅広いシーンに適しています。敬意が込められており、受け取ってもらいたいという意向と相手への配慮が示されています。「お受け取りください」を使用した例文は以下の通りです。
- 本日の会議資料です。皆様、お受け取りください。
- ご注文いただいた商品をご用意いたしました。お受け取りください。
- 私の名刺でございます。どうぞお受け取りください。
「お受け取りください」はビジネスシーンで特に一般的な表現であり、相手に対して礼儀正しさと尊重を表すことが可能です。
正しい方法で「お納めください」を使用しよう
「お納めください」は「受け取ってください」を丁寧にした表現で、目上の人にも使用できます。ただし確認することのニュアンスは含まれていないので、書類を送付する際は「ご査収」という表現が適しています。また結婚式や給料・代金の支払いなどで使用するのも不適切なので、相手や場面によって使い分けられるようにすることが重要です。ぜひ今回の記事を参考にして、「お納めください」をビジネスシーンで使ってみてください。

