起業をする時、潤沢な資金が手元にあるとは限りません。限られたお金で準備を整えなくてはならず、心もとない思いをすることもあるでしょう。
そんな時に役立つのが、補助金や助成金です。そこで今回は、起業時に役立つ補助金・助成金を11種類ご紹介します。
補助金と助成金とは?
まずは、補助金と助成金について解説します。どちらも国や地方公共団体、民間団体が支給するものですが、2つには差があります。

補助金とは
補助金の特徴は、あらかじめ全体予算や採択件数が決まっていることです。申請書類に書く内容もボリュームがあり、なぜ補助金を申請するのか、どのような事業を展開し、その中で補助金をどのように役立てるのかを細かく説明する必要があります。
採択件数が決まっているため、どれだけ多くの申請が集まっても規定以上の企業が補助金をもらえることはありません。場合によっては非常に高い倍率になることもあります。その分支給額は大きく、1億円を超えるものもあります。
助成金とは
助成金の特徴は、基本的に申請した企業は要件を満たしていれば支給される可能性が高いことです。多くの場合、決められた申請用紙に決められた内容さえ書き込めば、受給できます。その分、一社に与えられる金額は数十万円~100万円程度と少額なことも多いです。
しかし、経済産業省の助成金の一部は、名称が「○○助成金」となっているものの、実質的には補助金に近いものもあります。そのため、助成金ありきの事業計画を立てるのではなく、あくまで事業をサポートするものの一つだと認識しましょう。
補助金・助成金をもらうときの注意点
補助金や助成金を受け取る時、どのような点に注意すればよいか2つのポイントをまとめました。

申請書類を正しく作成する
補助金や助成金をもらうためには、申請書類を作成する必要があります。助成金は企業名や会社設立年など基本的な概要がメインになることが多いです。しかし補助金の場合、事業計画や数年分の利益予測など、細かな情報が求められます。
これらを正しく、かつわかりやすく説明できなければ、補助金を獲得することはできません。また、申請書類には事業に関する各種書類も必要なケースがあります。もし起業準備の傍らでこうした準備を整えるのが難しければ、申請代行サービスを利用するのも一手です。
補助金・助成金は手段であることを忘れない
補助金や助成金は、あくまで起業のサポートのための資金です。目的は事業を始めることであり、補助金・助成金は手段にすぎません。しかし「絶対にもらおう」と気負いすぎてしまい、手段が目的化してしまう方は少なくありません。
まずは、補助金や助成金がもらえなくても起業できるだけの準備を整えることに注力しましょう。あてにしていたお金がもらえず、土壇場で困ってしまう事態は避けてください。
会社設立時にもらえる補助金・助成金
ここからは、起業時にもらえる補助金と助成金について解説します。

事業承継・引継ぎ補助金 経営革新事業 創業支援型
事業承継・引継ぎ補助金 経営革新事業 創業支援型は、中小企業庁が支給する補助金です。事業承継・引継ぎ補助金事務局が運営する経営革新事業に創業支援型、経営者交代型、M&A 型の3つがあります。
廃業する企業から、事業譲渡か株式譲渡の形で継承する形で起業する場合に申請できます。補助率は補助対象経費の2/3以内で、補助金額は100万円~600万円。ここからさらに、廃業人して最大150万円を上乗せできます。
小規模事業者持続化補助金 創業枠
小規模事業者持続化補助金は、商工会議所による補助金です。働き方改革や賃上げ、インボイス制度など数々の制度変更などに対応するため、販路開拓経費の一部を補助することを目的としています。名前の通り小規模事業者のみ支給されますが、常時使用する従業員の数が、宿泊業・娯楽業は20人以下、それ以下外の商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下と規定されています。
補助率は2/3で、補助金額は、通常枠は50万円ですが、創業枠は200万円。経費対象となるのは、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費の11種類です。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、厚生労働省が支給する助成金です。創業時から人を雇用する場合におすすめで、正社員化コース、障害者正社員化コース、健康診断制度コース、諸手当制度等共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コースの6つに分かれています。
正社員化コースは、派遣社員などの有期雇用労働者などを、正社員にする際に支給されます。補助金額は、中小企業の場合28万5,000円~57万円です。申請するためには、キャリアアップ計画の中で今後の大まかな取組について記載しなくてはなりません。
地域中小企業応援ファンド スタート・アップ応援型
地域中小企業応援ファンド スタート・アップ応援型は、中小機構と都道府県や金融機関などが支給する助成金です。農林水産物や伝統技術など、その土地に根差したものを活用して、商品開発や販路拡大する企業に支給されます。
都道府県によって支援する分野や助成金額は異なります。例えば北海道では、「北海道中小企業新応援ファンド」として、道内に事務所を設ける個人や中小企業者を対象とした創業支援を行っています。この場合、助成率は1/2、助成金額は1,000万円以内です。
トライアル雇用助成金 一般トライアルコース
トライアル雇用助成金 一般トライアルコースは、厚生労働省が支給する助成金です。就職が困難な求職者を、3か月試行雇用することで受け取ることができます。創業時からスタッフを雇いたい方におすすめの助成金です。
支給額は月額最大4万円で、3か月間受け取れます。対象となるのは、過去2年に内に2回以上の離職や転職をした方や、妊娠・出産・育児を理由に離職した方などの雇用です。
ものづくり補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業庁と中小企業基盤整備機構が支給する補助金です。中小企業が、生産性向上のための革新的なサービス開発や、試作品の開発、生産プロセス改善のための設備投資をするための、支援として支給されます。
補助率は1/2~2/3で、補助金額は従業員数が5人以下は100万~750万円、6~20人は100万~1,000万円、21人以上は100万~1,250万円です。なお、創業時もしくは創業から5年以内で申請すると、加点されて採択しやすくなります。
IT導入補助金
IT導入補助金は、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が支給する補助金です。中小企業や小規模事業者において、ITツール導入を支援する通常枠、サイバー攻撃のリスク低減のための費用をカバーするセキュリティ対策推進枠、会計ソフトや受注ソフトなどの購入を負担するためのデジタル化基盤導入枠にわかれています。
通常枠は、補助率が1/2以内で補助金額が5万~150万円もしくは150万~450万円、セキュリティ対策推進枠は補助率が1/2以内で補助金額が5万~100万円、デジタル化基盤導入枠では補助率が3/4もしくは2/3で補助金額が50万円以内もしくは50万~350万円です。
研究開発型スタートアップ支援事業
研究開発型スタートアップ支援事業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が行っている事業です。研究開発型スタートアップの創出と育成を目的としています。
7種類の型を展開しており、「シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」では、VCが出資する研究開発型スタートアップへ実用化開発に対して助成します。単にお金を出すだけではなく、人材育成など幅広い内容がある点が特徴です。
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、厚生労働省が支給する助成金です。仕事をしたくても見つからない地域において、人材を雇用する企業が対象となります。
採用する人数が3~4人なら50万~120万円、5~9人なら80万~200万円、10~19人なら150~400万円、20人以上なら300~800万円です。ただし、新しく創業する場合は下限が2人となるため、ハードルが下がります。
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、厚生労働省が支給する助成金です。労働環境を向上させて魅力ある職場を作る企業が対象となります。雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、中小企業団体助成コース、人事評価改善等助成コース、建設キャリアアップシステム等普及促進コース、 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)、作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)、外国人労働者就労環境整備助成コース、テレワークコースの9種類に分かれています。
助成率や助成金額は、コースによって異なります。創業時に利用する場合、スタッフの評価や賃金決定の仕組みの明確化や、外国人スタッフの採用と定着のための取り組みなどに支給されます。
その他都道府県ごとの補助金・助成金
都道府県では、それぞれ独自に様々な補助金や助成金事業を展開しています。それぞれ対象となる企業や条件は異なるので、「○○県 創業 助成金」などで調べてみましょう。
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