PDCAサイクルとは、「計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)」の4ステップからなるサイクルです。断続的な業務改善や目標達成のために活用されます。ビジネスパーソンの中では定番の手法ですが、最近では時代遅れという意見も多いです。
そこで今回の記事では、「PDCAサイクルが古い!時代遅れだ!」と言われる理由や新たな業務改善手法について詳しく解説します。「PDCAサイクルで上手く行かなかった」「業務改善をしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
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PDCAサイクルの定義を解説

PDCAサイクルとは、問題解決や品質改善のための継続的なプロセスを体系的に実行する方法です。「Plan」では目標とそれを達成するための計画を立て、「Do」で計画を実行します。また「Check」では実行した結果を評価し、「Action」で問題点を改善し次のサイクルへのフィードバックを行います。
このサイクルを繰り返すことで、継続的な業務改善が可能です。そのためPDCAサイクルはビジネスだけでなく、教育や医療などさまざまな分野で活用されています。
PDCAサイクルが古い!時代遅れ!と言われる3つの理由

PDCAサイクルはビジネスにおいて定番のフレームワークです。しかし、最近では時代古く!時代遅れだ!と言われることも増えました。その理由として、以下の3つが挙げられます。
- 「改善(Action)」まで時間がかかる
- 新しいアイデアが生まれにくい
- PDCAサイクル自体が目的になりがち
近年はビジネス環境の変化が激しく、企業が成長するためにはスピード感のある課題解決能力や競合企業に勝つための革新的なアイデアが不可欠です。
「改善(Action)」まで時間がかかる
PDCAサイクルは中長期的なフレームワークであり、Plan(計画)から改善(Action)まで時間がかかります。また一回で終わるものではないため、すぐに成果は得られません。しかし、近年は市場ニーズの変化が激しく、消費者行動も多様化しています。企業がこのようなビジネス環境で生き残るためには、迅速な意思決定や経営判断が不可欠です。その結果、PDCAサイクルのスピード感では非効率だと感じる人が増えたと考えられます。
新しいアイデアが生まれにくい
PDCAサイクルは業務改善を目的としているため、新しいアイデアは生まれにくいのがデメリットです。類似サービスが溢れる現代において、競合他社と差別化を図るためには今までにない取り組みが求められます。しかしPDCAサイクルを回すだけでは、顧客ニーズを満たすのは難しいです。
PDCAサイクル自体が目的になりがち
PDCAサイクルの目的は業務改善ですが、ただ単に回してもより良くなるとは限りません。各ステップの目的を理解したうえで、運用していく必要があります。PDCAサイクルはあくまでも業務改善の手段の一つであり、PDCAサイクルを回すことが目的にならないようにしましょう。
PDCAサイクルの代わりとなる業務改善の手法

PDCAサイクルは「業務に集中できる」「現状の課題が明確になる」などのメリットがある一方で、「改善に時間がかかる」「新たな改善策が生まれにくい」などのデメリットもあります。そのため、最近ではPDCAサイクルのデメリットを補填した新たな手法が活用されるケースも増えました。下記では、PDCAサイクルの代わりとなる業務改善の手法を3つ紹介します。
OODAループ
OODA(ウーダ)とは「観察(Observe)・状況判断(Ocrient)・意思決定(Decide)・行動(Act)」の頭文字を取った言葉で、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐によって提唱されました。
| 観察(Observe) | 既存の市場や競合他社を見て、何が求められているか把握する |
| 状況判断(Ocrient) | 結果から得た情報を分析し、方向性を決める |
| 意思決定(Decide) | 具体的な行動を計画し、決定する |
| 行動(Act) | 計画に基づいて行動する |
OODAは常に戦況が変化する戦場で、命を守るために生まれた手法です。機敏性に優れており、スピード感のある意思決定が実現できます。仮に状況が変化したり、成果が見込めなかったりする場合は、また「観察(Observe)」の段階に戻って、ループしましょう。
メリット
OODAループの一番のメリットは、「スピーディーに実行できる」ことです。現状判断から行動までの期間が短く、スピード感を持たせられます。現状に合わせて方針を決めていくため、状況が変わってもすぐに対応できます。また何度もループさせながら調整するため、早い段階で目標を達成しやすいです。
デメリット
OODAループはスピード感が求められるため、十分に情報収集ができないケースがあります。情報がないと意思決定のスピードが鈍くなりやすく、どんな情報がどれくらい必要なのか事前に把握しておくことが重要です。
STPDサイクル
STPDサイクルとは、計画を立てる前の現状把握に焦点を当てた手法です。ソニー株式会社の常務取締役を務めた小林茂氏が提唱したもので、以下の頭文字を取っています。
| 観察(See) | 現状を把握する |
| 考案(Think) | 前段階で集めた情報を元に、現状に合わせて改善すべき課題と解決策を考える |
| 計画(Plan) | 解決策を計画に落とし込む |
| 実行する(Do) | 計画に沿って実行する |
STPDサイクルの特徴は、目標と現状の差を分析してから計画を立てることです。観察と考察を行うことで、現状とのギャップを最小限に抑えられます。そのため最初に目標を高く設定しすぎることがなくなるでしょう。
メリット
STPDサイクルでは現状把握や考案に時間をかけるため、施策の精度を高められます。精度が高まることで、課題改善までの時間を短縮できるケースも多いです。
デメリット
STPDサイクルは効果を検証するプロセスがありません。行動に対してのフィードバックや振り返りが難しく、改善点を把握しづらいです。また計画までに時間をかけるフレームワークなので、実行後に改善したい場合は向いていません。
DCAPサイクル
DCAPサイクルとは、PDCAサイクルの順番を変えた手法です。「実行(Do)」から始まり、考える前に行動することに焦点を当てています。PDCAサイクルでは計画立案を重視しているため、1回終わるまでに時間がかかってしまいます。
一方でDCAPサイクルは実行することを重視しており、行動を通じて市場ニーズや競合他社の動きを把握できるのが特徴です。変化に対して迅速に対応していくためには、PDCAサイクルよりもDCAPサイクルの方が適していると考えられています。
メリット
DCAPサイクルは素早く実行に移せるので、変化の激しい現代社会に適したフレームワークです。また実行してから分析・改善を行うため、市場ニーズや競合他社の動きもしっかり把握したうえで計画を立てられます。万が一失敗しても分析して改善点を見つければ、次の行動に移すことが可能です。
デメリット
失敗のリスクが少ない分、一回のサイクルで得られる成果が小さいです。何度もサイクルを繰り返さなければ、目標を達成できません。また途中で予定を変更すると膨大なコストがかかってしまうような、大規模プロジェクトには不向きです。最初から実行するのはリスクが大きすぎるので、PDCAサイクルの方が適しています。
状況に応じてフレームワークを使い分けよう
PDCAサイクル以外の手法も把握しておくことで、スピード感を持って業務改善を行えるようになります。ただし、どの手法にもメリット・デメリットがあるため、状況に応じて使い分けることが大切です。大規模なプロジェクトのときはPDCAサイクル、スピード感が求められるときはOODAループやDCAPサイクルなどを検討しましょう。今回の記事を参考にして、フレームワークを使って業務改善に取り組んでください。
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