ビジネスシーンで手紙やメールを送付する際に、時候の挨拶に悩む方は多いのではないでしょうか。時候の挨拶は時期によって適切な言葉が異なるため、状況に応じて使い分けることが大切です。
そこで今回の記事では、ビジネスシーンで使える時候の挨拶について詳しく解説します。3月に挨拶状や送付状を書く予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
時候の挨拶の概要

時候の挨拶とは、季節を表す言葉を取り入れた文章です。季節を24に分けた「二十四節気」に沿って、使用する言葉が異なります。時候の挨拶は必須ではないものの、相手を気遣う意味も含まれるため記載した方が無難です。
時候の挨拶の種類
時候の挨拶は、「漢語調」と「口語調」の2種類があります。漢語調は短く簡潔に表現し、ビジネスシーンや目上の人に対して使用します。一方で、口語調はやわらかい表現を用いるため、親しい人への手紙などに使うのが一般的です。
時候の挨拶の書くタイミング
時候の挨拶を取り入れる順番は決まっているため、事前に把握しておきましょう。挨拶状の基本構成は以下のとおりです。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 本文
- 結びの挨拶
- 結語
- 日付
- 差出人
- 宛名
メールの場合も流れは同じですが、宛名を文書の最初に入れる点が異なります。基本構成を知らずに時候の挨拶を記載すると、まとまりのない文章になる可能性が高いので注意が必要です。
【漢語調】書き出しで使用する3月の時候の挨拶

ビジネスシーンでは、漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的です。3月でも上旬・中旬・下旬によって適切な言葉は異なるため、時期に応じて使い分けましょう。
3月全般
3月全般に使用できる主な時候の挨拶は以下の2つです。
弥生の候
弥生は和風月名の一つで3月を指します。「いよいよ」「ますます」という意味が含まれており、「木や草がいよいよ生い茂る月になった」ことを表現します。
萌芽の候
萌芽(ほうが)は「新芽」の意味があるため、「春が来た」「春がもうそこまで来ている」ことを表現します。
3月上旬
3月上旬に使用できる主な時候の挨拶は以下の4つです。
早春の候
早春(そうしゅん)の候は、2月上旬から3月中旬まで使用できる言葉です。明確な時期は決まってないものの、春めきを感じ始める季節に適しています。
仲春の候
仲春(ちゅうしゅん)の候は、旧暦で春の半ばを表現する言葉です。3月上旬から4月上旬まで使用します。
啓蟄の候
啓蟄(けいちつ)の候は、春分の日の前日まで使用できる言葉です。春らしく暖かくなってきたことを意味します。
軽暖の候
軽暖(けいだん)の候は、厳しい冬の寒さが軽減されて春らしい暖かさを感じられる時期に使用する言葉です。
3月下旬
3月下旬で使用できる主な時候の挨拶は以下の4つです。
春分の候
3月21日の春分の日を迎える時節を意味しており、4月3日まで使用できる言葉です。
麗日の候
麗日(れいじつ)の候は、穏やかな春の日になったことを意味します。3月下旬から4月上旬まで使用できる言葉です。
春色の候
春色(しゅんしょく・はるいろ)の候は、春の始まりを意味する季語の一つです。春らしい景色になったことを意味しており、3月中旬から下旬まで使用できます。
桜花の候
桜花(おうか)の候は、「桜の花が咲き誇る季節になった」「桜の花が満開になった」という意味があり、3月下旬から4月上旬まで使用できる言葉です。
【口語調】書き出しで使用する3月の時候の挨拶

口語調は一般的にカジュアルシーン向けの言葉ですが、個人の顧客などに使用する場合もあります。相手との関係性を考慮して使い分けることが大切です。
3月上旬
3月上旬で使用できる主な時候の挨拶は以下の3つです。
- かぐわしい沈丁花の香りが春の訪れを告げるころとなりました
- 野山の雪も解け始め、ようやく当地にも春がめぐってまいりました
- 春の日差しがきらめく頃となりました
3月中旬
3月中旬で使用できる主な時候の挨拶は以下の3つです。
- 日毎に春らしくなってきました
- 小鳥のさえずりに目を覚ます季節となりました
- 花の便りがあちこちから届くようになりました
3月下旬
3月下旬で使用できる主な時候の挨拶は以下の3つです。
- 桜の花が咲く頃となりました
- 春風にのってほのかに花の香りが漂う頃となりました
- 春うらら、穏やかな毎日を過ごされていることでしょう
結び文で使用する時候の挨拶
ビジネスシーンでは、手紙やメールの最後に結びの言葉を添えるのがマナーです。季節を表す言葉を取り入れ、文章の締めとします。3月は月初と月末で気温差が激しいため、時期に応じて使い分けましょう。
3月上旬
3月上旬に使用できる主な時候の挨拶は以下の3つです。
- 春暖快適の候、皆様のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げます。
- 春からも変わらぬご厚誼を、何卒お願い申し上げます。
- 春寒のみぎり、お身体を大切になさってください。
3月下旬
3月下旬に使用できる主な時候の挨拶は以下の3つです。
- 浅春の折、何卒ご自愛ください。
- 天候不順の折から、ご健康にはくれぐれもご留意ください。
- 早春の息吹を感じる昨今、どうぞお健やかにお過ごしください。
3月の時候の挨拶でよく用いられるキーワード

時候の挨拶をするときは、季節を表す言葉を用います。3月の時候の挨拶に使用できるキーワードは以下の通りです。
行事関連
- ひな祭り:毎年3月3日に開かれる女児の成長と幸福を祈る
- ホワイトデー:毎年3月14日にバレンタインのお礼を贈る
- 卒業式:全国の学校で3月中旬から下旬に行われる
- 春の甲子園:3月下旬に行われる選抜高等学校野球大会
暦関連
- 初春:旧暦の1月に由来しており、春の始まりを意味する(1月下旬から3月上旬まで)
- 仲春:陰暦では2月を指す(3月6日から3月21日頃まで)
天候・風物関連
- 花粉症:スギやヒノキなど花粉の飛散量が増える時期
- 春のお彼岸:春分の日の前後3日間を指す
- ひなあられ:ひな祭りで食べられることが多い和菓子
- ぼた餅:お彼岸の時期に食べる行事食
時候の挨拶を取り入れるときのポイント
時候の挨拶を取り入れるときのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- ネガティブな表現は避ける
- 季節感に合う挨拶文にする
- 送付する相手によって言葉を使い分ける
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ネガティブな表現は避ける
挨拶状に取り入れる時候の挨拶は、ネガティブな表現に注意が必要です。冬は「寒い」や「冷たい」などの言葉が使われることもありますが、「厳しい寒さ」という表現はネガティブな印象になるため避けましょう。できるだけポジティブな言葉を使用することで、良い印象を与えられます。
季節感に合う挨拶文にする
時候の挨拶は中国の暦に基づいた二十四節気に沿った言葉であるため、単に使うと季節感が合わなくなるケースもあります。3月はまだ寒さが続き、雪が降っている地域も多いです。挨拶文を書く状況に合わせて、適切な言葉を使いましょう。
送付する相手によって言葉を使い分ける
ビジネスシーンでの時候の挨拶は、漢語調を使用するのが一般的です。ただし、口語調は親近感を伝えられるため、個人の顧客などに使う場合もあります。挨拶状を送付する相手との関係性によって、漢語調・口語調を使い分けることが大切です。
3月に合った時候の挨拶を取り入れよう
時候の挨拶は季節を表現する言葉を取り入れた文章で、ビジネスシーンの手紙やメールに使用されます。必須ではないものの、相手を気遣う意味も含まれるため記載するのがマナーです。
また、時期によって最適な時候の挨拶は異なります。そのときの状況に応じて、季節感に合った言葉を使用しましょう。ぜひ本記事を参考にして、挨拶状や送付状を書いてみてください。

