何かに対して不安を感じることは決して珍しいことではなく、むしろ不安を感じたことない方はいないのではないでしょうか。そんなごく普通の感情といえる「不安」でも、過剰になってしまうと「不安障害」という心の病気となってしまいます。
今回は、不安障害の基本的な情報や種類、改善方法について解説します。
不安障害とは

そもそも「不安」とは、すべての人が持っている精神的なストレスや脅威などに対する反応で、自分に警戒心を与えて危険を回避するために備わっている機能です。誰しも不安を抱えることはごく当たり前のことで、通常は多少の不安を感じる程度であれば問題にはなりません。
ところが、中には過剰な不安を抱えてしまう人がいます。本来、危険などを回避するために感じる不安が過剰に強くなってしまうと、不安が長時間継続したり日常生活に支障をきたしたりしてしまいます。このような状態は、一般的な不安を超えた「不安障害」の可能性があります。
不安と不安障害の違い
まず「不安」とは、ある事柄や出来事などに対して危険やリスクを回避するためにどのような行動をすればいいのか、考えるために起こる感情です。例えば、行ったことがない場所へ初めて行くときは不安を感じるものです。足を踏み入れたことがない場所に何があるのか、誰がいるのかまったくわからない状況は、ひょっとしたら命の危険をはらんでいるかもしれません。そのような安全が確保されていると断定できない状況に備えるために、「不安」という感情が現れます。つまり、恐怖から生まれる不安を感じることによって、人は自分を守っているのです。
一般的な「不安」に対し、不安障害は不安の感情が異常に強くなり、過剰な不安が持続したり不安を感じるシチュエーションを回避したりしようとする心の病気です。不安障害には複数の種類があり、場合によっては日常生活を送ることが困難な症状が現れることがあります。
不安障害の原因
不安障害の原因は明確にはなっていないものの、遺伝や環境的ストレスなどが挙げられます。そして、脳内神経伝達物質の「セロトニン」という物質も関係しているという説もあります。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンはストレスにかかわる物質で、幸福感や心の安定に関わっているといわれるため、セロトニンの不足が不安障害の原因の1つと考えられています。
不安障害の種類

不安障害とは不安という感情から生じている心の病気で、さまざまな種類があります。代表的な不安障害として、以下の4種類が挙げられます。
パニック障害
パニック障害とは、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖症」という3種類の症状が現れるのが特徴です。3種類すべての症状が現れるとは限りませんが、まず起こるのがパニック発作です。
パニック発作では、何の前触れもなく体の震えや動悸、めまいなどの身体的症状、その症状に伴う恐怖感などが現れます。自分ではコントロールできない身体的症状は命の危険を感じるほどの苦しさですが、持続時間は数分~数十分程度で、検査をしても体に異常はみられません。
「パニック発作がまた起きたらどうしよう」と考えて不安に感じることを「予期不安」といいます。こちらもパニック障害の代表的な症状で、予期不安が強くなるとパニック発作を起こした場所や状況に恐怖を感じるようになります。これが「広場恐怖症」です。広場恐怖症で発作を起こした場所や状況を避けようとするために外出できなくなることで、日常生活に支障をきたすことがあります。
社会不安障害(社交不安障害)
社会不安障害では、人前に立ったり話をしたりする際に過剰な緊張や不安、恐怖を感じる症状が現れます。人前に立つことに緊張や不安を覚えることはごく当たり前といえますが、社会不安障害ではその不安が強く、苦痛も感じます。「人前で失敗したらどうしよう」「変なことを話してしまったらどうしよう」などと強い不安を感じ、赤面や発汗、震えなどの身体的症状も出ます。
強い不安を感じることで人前に出られなくなるばかりか、外出できなくなったりパニック発作を起こしたりする場合もあります。
全般性不安障害
全般性不安障害とは、職場や学校、人間関係など日常生活にかかわるさまざまな不安が長期に渡って続く心の病気です。通常の不安は短時間で解消することが多いものですが、不安が6ヶ月以上続く場合は全般性不安障害の可能性があります。
例えば、「家族が事故に遭ったらどうしよう」「自分が重病になったらどうしよう」などの不安が長期間続きます。全般性不安障害で感じる不安は、多くの人も感じる内容ではあるものの、不安を持った状態が長く続くので、仕事や学業など普段の生活を送っている間でも不安感にとらわれてしまいます。その結果、集中力の欠如や落ち着きのなさなどが現れることで、さまざまな方面へ影響を及ぼしかねません。
強迫性障害
強迫性障害では、ある行動を何度も繰り返す症状が現れます。この症状も不安からくるもので、「手が汚れているのではないか」「コンロの火を消していないのではないか」など強迫観念からくる不安を解消するために、無意味とわかっていながら何度も手を洗う、コンロの火を確認してしまうなど同じ行動を繰り返します。
意味のない行動を何度も繰り返すので、強迫性障害の症状も日常生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
不安障害を改善するには

単なる不安ではなく、異常な不安を抱える不安障害の症状を改善するには、いくつかの方法があります。自分が不安障害なのでは?と感じた場合は、以下の方法を実践してみましょう。
医療機関で治療する
不安障害は心の病気の1つで、放置していると重症化する恐れがあります。早い段階で心療内科や精神科を受診して専門医の元で治療を受けることで重症化を防ぎ、改善が見込めます。不安障害の治療は、大きく分けて抗不安薬などを使用する薬物療法、カウンセリングなどを行う心理療法の2種類です。行動の見直しや不安感情のコントロールにより、症状の改善が期待できます。
自分でできる対策を実践する
病院へ行くことそのものに不安を感じる方は、自分でできる対策から始めてみましょう。まず、リラックスすることが大切です。簡単なリラックス法として、肩に5秒間、7割ほどの力を入れてから力を抜く方法があります。力を抜いた箇所を感じることでリラックス状態となり、不安障害の症状改善効果が期待できます。お腹を意識して呼吸する腹式呼吸も、自律神経を整えてリラックス効果が期待できる方法なので試してみましょう。
また、規則正しい生活を送って体内リズムを整えることもセロトニンの代謝を促進できるので、不安障害の症状改善効果が期待できます。毎日同じ時間に食事を取る、早寝早起きをするなど生活習慣を見直すことも、不安障害改善に大事なポイントです。
カウンセリングを受ける
誰かに不安障害の悩みを相談したいときは、医療機関でも可能です。そもそも外出が難しく医療機関へ行くのがためらわれる場合は、オンラインでのカウンセリングという方法もあります。フリーランスワーカー.jpでは、オンラインでのカウンセリングに対応可能なカウンセラーがスキルを出品しているので、自宅でも気軽に悩みを相談できます。まず不安について相談をしたい方は、ぜひ利用してみてください。
まとめ
強い不安は、不安障害という心の病気の可能性がある症状です。以下の記事のように、不安障害の一種であるパニック障害などの症状は、日常生活にも悪影響を及ぼすことがあります。
もし強い不安を感じて日常生活に影響が出ている場合は、早いうちにカウンセリングを受けたり医療機関を受診したりするなどして、不安を改善しましょう。

