人生に悩んだときや恋愛が上手くいかないとき、ちょっとした遊びを楽しみたいときなど、様々なシーンで占いをする方がたくさんいます。
しかし、一言で占いといってもその種類は様々で、「自分が今すべき占いは、どんなものなのだろう?」と疑問に思うかもしれません。そこで今回は、占いにはどんな種類があるのか、それぞれどのような特徴があるのかなどについて解説します。
占いの分類法
占いには多くの種類がありますが、それを分類する方式として「命術」「卜術」「相術」「霊術」というものがあります。命術とは生年月日や生まれた時間と場所などを使って占う方法です。卜術とは、タロットなど偶然出たものを見て占います。相術とは、人相や手相など目に見えるものをベースにします。「霊術」は心理学を活用したものや、呪術文化から派生したものです。
本記事でも、命術、卜術、相術にわけて各占いを解説していきます。
命術の占い
まずは生まれた日や時間をもとに運勢を占う、命術について解説します。
四柱推命
四柱推命は、2000年前の中国で生まれ、皇帝を生む日付を左右するほど、国の重要な役割を果たしていました。当時の中国では陰陽五行説という学説が信じられており、万物が木、火、土、金、水から成り立っていると考えられていました。これをもとに、四柱推命でも人間の特徴や関係性も、この5つで表しています。
生まれた生年月日と時間から、年柱、月柱、日柱、時柱を割り出します。年柱では本人のルーツや人生の傾向がわかり、0~20歳の運気を表します。月柱では社会でどう活躍するか、自分で運命を切り開けるのはどんな分野かがわかり、20~40歳の運気を表します。
日中は性格や考え方、配偶者とのかかわりなどがわかり、40~60歳の運を鑑定します。時柱は人生の成果や晩年の生活、健康などがわかります。
西洋占星術
西洋占星術とは、星の動きをベースにした占いです。星がどのように配置されているかを見るため、ホロスコープというものを使います。ホロスコープでそれぞれの惑星がどの位置にあるかを知り、それによって本質を見極めるという方法です。
太陽は、本人の本質や、どのようなキャラクターかを表します。月は、無意識に考えていることや、将来についてわかります。水星は他人とのコミュニケーションについてわかります。金星は、恋愛や異性に関すること、センスや金運を表します。
火星からわかるのは、物事への取り組み方です。木星は、人生でどのようなチャンスがくるか、成功するために何が必要かがわかります。土星は課題や気を付けるべきこと、問題について表します。
天皇星はどのような人生の分岐点が来るかを教えてくれます。海王星からわかるのは、芸術性やひらめきなどについてです。冥王星は、生まれ持った運命を示します。
インド占星術
インド占星術とは、西洋占星術と同じように星の動きをもとにした占いです。人間も宇宙の一部であるという考え方を前提にしており、12星座を活用しています。太陽や月、水星、火星など、西洋占星術と同様に自分の星がどの星座の位置にあるかによって、性格や運命、考え方などを診断します。
5000年以上前に体系化され、非常に歴史のある占いです。過去世でどのような心残りがあるかといった要素も加味されており、仕事や結婚などがどう進むかをみることができます。また、インド占星術においては人生の8割は生まれによってきめられており、自由意思は2~3割であると考えられています。
九星気学
九星気学とは、古代中国で生まれた占いです。生まれた年から本命、月命、日命というものを出し、年盤、月盤、日盤というものを作成して、その人がどのような性格なのかといったことを割り出します。また、方位について占える点も特徴です。
ベースとなる本命星は、生まれた年だけで割り出せるので非常に簡単です。九星気学の九星とは、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星を指しています。この九星は四柱推命同様に陰陽五行説をもとに考えられており、この世に生まれたタイミングでそれぞれの星がどんな巡りだったかで診断します。
占いでは「生まれ持った星で自分の運命は決まる」という考え方のものも多いですが、九星気学では運を育てることができると考える点は、他との大きな違いです。
数秘術
数秘術はヌメロロジーとも呼ばれており、これは数字を意味するnumeroと学問を意味するlogyを組み合わせた言葉です。一つひとつの数字にはそれぞれ意味があると考え、数字から人の運命や才能などを判断します。生年月日からライフパスナンバー、ディスティニーナンバー、ソウルナンバー、パーソナリティーナンバーを割り出し、それぞれどの数字が当てはまるかによって診断します。
数秘術において1は始まりを表し、リーダーや独立といった意味を持ちます。2は人との関係や調和を表します。3は真実、イマジネーション、楽観主義といった意味も持ちます。4は形づくるという意味を持っており、持久力やまじめさがキーワードです。
5は変化を表し、自由さ表します。6はバランス、奉仕、責任と義務を意味します。7はリサーチやテクノロジー、孤独という意味です。8は権威や力を表します。9は終わりを意味し、宇宙や完全性とリンクしています。
宿曜占星術
宿曜占星術とは、中国やインドで生まれたホロスコープを使った占いを、弘法大師の空海が日本に合うようアレンジして広まった占いです。生まれた日に月がどの位置にあったかによって、各星の「曜」を割り出します。
特に平安時代に盛んになり、源氏物語の中にも宿曜占星術が出てくるほどです。あまりにも当たるため、一般市民に知らされず、貴族や陰陽師などが活用していました。
月の満ち欠けで運命のリズムを知ることができ、性格や人との相性、運命、毎日の運気などがわかります。月のサイクルによって宿が決まり、この宿は27に分類されます。
算命学
算命学とは、生まれた年、月、日の干支をもとに占う中国発祥の占いです。自然界の在り方をもとにした運勢法則を導き、そこから人の運命も読み解きます。干支歴と陰陽五行がベースとなり、4000年前に体系づけられました。もともとは、人が生まれて死ぬまでの因果を見つけようとする中で、地球や対応、星に一定のリズムと関係していると考えたところから生まれています。
あまりにも当たるため中国の皇帝は庶民に算命学が知られないように規制をしていましたが、時代が移るにつれて算命学を知る人が増え、ここから四柱推命や九星気学といった占いが生まれています。
人体図というものを使い、その人の性格や考え方だけではなく、親や上司などの目上の人に対してどんな力を発揮するか、配偶者にどんな影響を与えるかといったことまでわかります。
紫微斗数
紫微星という星をもとに運勢を占うのが、紫微斗数です。生年月日だけでなく時間まで必要で、生まれた場所も関係します。今から1300年前の中国で生まれ、第二次世界大戦後から日本でも少しずつ広まりました。
紫微斗数では12個の宮というものがあり、それぞれにどの星が入るかによってその人の性格や恋愛傾向、体質、仕事運、金運などを算出します。太陰太陽暦をもとにしていて、中国や台湾では今でもメジャーな占いです。
六星占術
六星占術とは、細木数子氏が提唱した占いです。運命を土星、金星、火星、天王星、木星、水星の6種類にわけ、それぞれに当てはまる人を土星人、金星人などとしています。
ベースになっているのは、算命学や易学、万象学などです。毎月や毎年の運勢だけでなく、10年ごとの運勢も見ることができます。細木氏の占いでいうと大殺界をイメージする方も多いですが、これは12年のうちに3年ある期間で、新しいことにチャレンジしても成果が出にくかったり、うっかり怪我や病気をしてしまいやすい時期を表しています。
細木数子氏が亡くなった現在は、娘である細木かおり氏が九星気学を使った占い師として活動しています。
卜術の占い
次に、偶然性から占う卜術について解説します。
易占い
中国の古典的な占いというと、ジャラジャラという長い棒を使うイメージを持つ方もいるかもしれませんが、これが易占いです。あの棒は筮竹(ぜいちく)といい、これと六十四卦という要素を使って吉凶を判断します。六十四卦とは、世界のすべての物事を八卦と呼ばれる8つの形に分類した考え方で、2種類の棒を3つ並べるたものです。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉がありますが、これは易占いに由来しています。
易占いでは、具体的な行動を占うことができます。転職した方がいいか、二人からプロポーズされたがどちらと結婚すればいいかなど、悩みに対してどのように対処すべきかがわかります。偶然の中に必然を見つけるという考え方をもとに、すべての物事に法則を見つけようとする占いです。
タロット占い
タロット占いは、タロットカードを使った占いです。タロットカードは大アルカナと小アルカナに分かれており、1枚ごとにそれぞれ意味を持っています。また、カードが正しい位置で見えることを正位置、反対の位置で見えることを逆位置といい、同じカードでも正位置か逆位置かによって意味がまったく変わります。
タロットカードを使った占いには、いくつかの方法があります。例えばワンオラクルでは一つの質問に関して1枚のカードで答えを出す方法です。複雑な答えは出せませんが、イエスかノーかで悩んでいるときなどに適しています。3枚のカードを引くスリーカードでは、過去、現在、未来を見通します。
13枚ものカードを使うホロスコープスプレッドは、より様々なことがわかります。自分の性格や金運、仕事運、恋愛運などを総合的に鑑定することが可能です。また、12か月分の運勢を見通すこともできます。
トランプ占い
トランプを使った占いでは、と53枚のトランプにそれぞれ意味があります。まず、数字ごとに意味が決められており、1は始まり、4は安定、8はパワーなど表します。加えてマークにも意味があり、ハートは恋愛や創造、ダイヤはお金や仕事、クラブは幸運、スペードは課題や試練という意味です。ジョーカーはリセットを表します。
具体的なやり方については、タロットと同じです。カードを1枚使うワンオラクル、2枚使うツーオラクル、13枚使うホロスコープスプレッドなどがあります。
ルーン占い
ルーン占いとは、ルーン文字という古代ヨーロッパで使われていた文字を使った占いです。現在のアルファベットのもとになっており、日常生活だけでなく呪術や祈祷に使われていました。
やり方は2種類あり、1つ目がキャストです。これは9本の小枝を投げて、どのような形に落ちたかで判断します。ほとんどがランダムに落ちますが、その中からルーン文字の形に似ているものを見極めます。2つ目がスプレッドです。これはルーン文字を刻んだ石を袋に入れ、順番に取り出して並べていきます。タロット占いのように、どんな文字が出たかによって占います。
夢占い
夢占いとは、夢の中で誰が何をしていたか、その時自分はどう感じていたかによって判断する占いです。もともとは紀元前1世紀のヨーロッパで生まれ、日本でも古事記などの古書に夢によって吉凶を判断したといったことが書かれています。その後、心理学者のフロイトやユングなどによって体系づけられました。
夢占いでは、夢の中に何が出てきたが大切です。また、例えば誰かが亡くなるといった夢だからと言って、必ずしも悪い意味を持つというわけではありません。夢占いでは死は幸運の訪れともいわれており、生まれ変わりや進化などを意味しています。
相術の占い
次に、目に見えるものから判断する相術について解説します。
人相占い
人相占いとは、人の顔全体や各パーツから性格を診断する占いです。重要なのが、眉、目、鼻、口、おでことなっています。眉が濃く目をおおうようになっている方は怒りっぽく、眉毛が短い方は行動力があります。反対に眉毛が薄いと、慎重派な性格です。
目は大きいと自分の意思が強く、やりたいことや思いをはっきり主張できます。目が小さい方は冷静で、物事をクールに分析します。
鼻は大きいほど自分に自信があります。肉付きの良い方は人に好かれるように努力する気持ちを持っており、肉付きの薄い方は自分の道はこれだと決めて他人に振り回されることがありません。
大きな口は見栄っ張りの傾向があり、小さい口は事故アピール力不足を意味します。唇は厚いほど情に厚く、薄いとクールな性格です。口周りにあるほうれい線が薄い方は自分のやりたいことをやり遂げる力があり、濃い方は人のために頑張れます。
おでこは仕事運の見るのに向いており、おでこが出ていると自己アピール力があり、隠れていると謙虚で控えめな性格です。おでこが広いと本能のままに生きる自由人で、狭いと協調性がある人当たりのいい人です。
手相占い
手相占いは、手のひらにあるしわで占う方法です。6000年前のインドで生まれ、ヨーロッパに広まりました。手相は右手を見るか左手を見るかによって、生まれ持った運命と現状を見ることができます。手相占いでメインとなるのが、生命線・頭脳線・感情線・運命線の4本です。
生命線は人差し指と親指の間から手首に向かって伸びる線です。生命線が太く濃いと、体が強く健康でいられます。もし病気になっても回復が早く、バイタリティある人だと言えます。反対に細い線や薄い線の場合は、虚弱体質で体調を崩しやすい傾向です。また、精神的に弱さを抱えていることもあるので、適度なリラックスが必要となります。
頭脳線は生命線の始まりから小指側に伸びている線です。頭脳線が長いと空想家の傾向があり、ビジネスよりも学者や哲学者といった分野で活躍できます。短い方は考えるより行動派で、判断力と決断力に優れています。また、頭脳線が2本あると人よりユニークな考えが得意です。
感情線は小指の下から親指に向かって伸びている線です。感情線が上方向にカーブしている方は粘り強く、何かを諦めずに努力できる人です。直線に伸びている場合は、冷静で計画性があります。また、先の方が二股、三股に分かれている場合は異性から好かれやすいです。
運命線は、中指から手首に向かって伸びている線です。長く濃い方は、自分の生活に満足していたり、目標に向かって頑張っていたりします。薄い方は何をしたいか決まっていないことが多いです。運命線がない方は、人生を自分の力で切り開くというより、周りの方に愛される人生を送ります。
姓名判断
姓名判断とは、人の名前を使って運勢などを診断する占いです。姓名のそれぞれにどんな字が入っているかを見て、その画数で吉凶を判断します。
姓の総画数を天格といい、先祖からどんな運勢を受け継いでいるかを表します。特に晩年に影響を与える要素です。名前の総画数を地格といい、幼少期から中年までの運勢を表します。他人に対する自分の印象も、ここからはかります。
名字の一番下と名前の一番上を足した数を人格といい、20~40代の運勢を表します。どのような個性や才能があるかがわかるものです。総格から人格を引いた数を外格といい、恋愛や結婚、職場の友人など、人との関係や対外的な運勢がわかります。天格と地格の合計を総格といい、全体運や晩年の様子を表します。
霊術の占い
最後に、スピリチュアルなもにを活用する霊術占いについて解説します。
水晶占い
大きな水晶を使って行うのが、水晶占いです。16世紀のヨーロッパに起源を持ち、水晶玉に映し出されたイメージによって判断します。これは透視能力のようなものが必要とされており、一般的には目に見えない映像を水晶の中に見ます。
霊感占い
生まれながら、もしくは後天的に霊感などの力を身につけた方による占いです。いわゆるスピリチュアルなパワーを使うとされており、目に見えないものとコミュニケーションを取るなどして占います。
前世占い
前世でどんな人生だったかということを見て、そこから今世での物事を占います。前世で犯した罪や積んだ徳が今世に影響を与えているという考え方で、今の悩みを解決したり人間関係を改善するため、過去にどのような人生を歩んでいたかを見ていきます。
占いには様々な種類があり、それぞれどんなことがわかるかが異なります。また、カードなどのツールがあれば誰でもできるものから、スピリチュアルなスキルがいるものまで、様々です。ご自身が占いをする際は、ぜひどの種類が適しているかを判断してみてください。