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【法人向け】シード期とは?スタートアップが資金調達する方法

スタートアップの悩みの種として、大きなウエイトを占めるのが資金調達の問題ではないでしょうか。これから革新的な事業を起こし、成長していくためには先立つものが無いと実行が難しいですよね。

そんなスタートアップの、特にシード期における資金調達の方法をこの記事では紹介していきます。

スタートアップとはどんな企業?

スタートアップとは、「革新的なアイデアや技術で急成長をしている組織」のことを指します。これという指標が決められているわけではないので曖昧ですが、数年で数百億円以上の価値評価がつくような企業や、私たちの生活をガラッと変えてしまうような変革をおこす企業が該当するでしょう。

スタートアップという字面から「設立間もない企業」や「IT企業」というイメージを持たれるかもしれませんが設立年数や業種に縛りはありません。

もとはアメリカのシリコンバレーでできた言葉で、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)など新興企業のことをスタートアップと呼ぶようになったのです。

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スタートアップの特徴

スタートアップには大きく2つの特徴があります。

一つ目は「Jカーブ」と呼ばれる成長曲線を描くこと。これは、初めの数年は赤字だけれどその後に急成長して黒字転換し、損失を回収するというケースが多いことを意味しています。まさにスタートアップの「急成長」を物語るデータですね。

二つ目は「EXIT」です。英語で出口を意味する言葉ですが、スタートアップでは目標となるゴールのことを意味します。このゴールとは、「スタートアップに出資している人が株式を売って投資した資金を回収し、利益も獲得すること」です。

一般的にはM&Aで株式や事業を売却したり、株式公開で証券取引所に株式を上場させたりする手法が取られます。

どちらも売却するとはいえ、企業の将来を見据えた選択になるでしょう。

4つの企業の成長ステージについて

スタートアップを含めた企業の成長ステージは、大きく分けて4種類あります。
同じ企業であっても成長ステージによってスタンスが違ってきますので把握しておきましょう。

シード期

起業する前の時期のことを指します。

事業計画を作ったり、商品やサービスの開発を行ったりと起業に向けて準備をしている段階です。

この時期はまだ生産的な活動はできないので、セミナーや交流会に参加して人脈を広げたり、今ある人脈をより深めたりと土台作りをしておきましょう。

シード期でしっかりと準備ができているかで今後の経営状態が決まると言っても過言ではありません。
業種にもよりますが、スタートアップと考えると必要な資金は数百万円~数億円ほどです。

アーリー期

起業した直後の時期のことを指します。

商品やサービスを実際に売り出していくので、広告費などがさらにかかってくる段階です。

この時期に自社をアピールして軌道に乗せることで事業内容の安定化を図ります。
シード期で開発していたものをリリースと共に修正しながら売り出していくという作業も発生します。

人員的にも金銭的にもリソースを割きたい場面でしょう。
その為必要資金も大きくなり、数億円~数十億円の規模になることも多いです。

ミドル期

起業した事業が安定化してくる時期のことを指します。
会社の名前がサービスの認知度が少しずつ高まっていく時期ですので、顧客からの要望や依頼も増えてくるでしょう。

今後のさらなる安定化のためにも、資金を投入して要望に応えていく必要があります。
収益はまだ安定とまではいきませんが、商品やサービス開発にかけた分は少しずつ回収でき始めるのもこの時期です。

軌道に乗ってきた会社を成長させるために必要な資金は数十億円クラスになることも。
社会的な信用も得られるミドル期であれば高額な融資も受けやすくなるはずです。

レイター期

起業した事業の収益が安定化してくる時期のことを指します。
商品やサービスが社会で認知されるようになり、安定的に利用されるようになります。

今までは投資ばかりで苦しい思いをしましたが、ここにきて企業にとってプラスの収益が上げられるようになるのです。

会社名やブランド名が認知されることにより、新しい事業にも手を付けやすくなります。

この時期の資金はそんな新しい事業に投入しましょう。数十億円規模の金額が動くことになりますが、社会的な信用度がより高まるレイター期ではたくさんのお金を集められるようになります。

シード期における資金調達の目的

シード期は前項でも見てきたように起業する前の時期のことで、この時期に必要な資金は数百万円~数億円。
業種によって差はありますが、事務用品をそろえるだけでは不十分だということが分かる金額です。

起業前の準備と聞いて想像するのはオフィスを借りる賃料や、人を雇う場合の人件費、プリンターやデスクの購入費でしょう。

ですがシード期は起業アイデアを形にするために、「本当にこのやり方で事業が成り立つのか」を調査しなくてはなりません。

そのための市場調査費や商品開発費など、思っている以上に資金が必要になるのです。

まだ収益が出ていない時期なので費用の捻出が大変ですが、初めは人件費をなるべく抑えるよう工夫して活動するとよいでしょう。

シード期における資金調達の方法

ではシード期のスタートアップは実際にどのように資金を調達すればよいのでしょうか。
この記事では代表的な4つの例を紹介します。

①貯金を使う

一番シンプルで誰の干渉も受けない資金が、自分で貯めたお金です。
起業までに時間があるのであれば、目標額をためてから起業するという形を取るとリスクが少なく済むでしょう。

このとき注意したいのは、生活資金や夫婦共有の貯金を勝手に使ってしまわないこと。

たとえ自分だけが働いておりパートナーに収入が無かったとしても、夫婦の貯金は夫婦二人のもの。起業を成功させるコツとして、家族の理解を得る事はとても重要ですので、パートナーがいる方はよく話し合ってから利用しましょう。

また、自分一人だからと言って貯金全てをスタートアップ資金にするのは危険です。
収入が他にあるのであれば問題ないですが、一般的に起業時は収入が0に近くなります。

1年間の生活資金は残しつつその他をスタートアップのための資金に充てれば、軌道に乗るまでの生活費を心配せずに済むでしょう。

②融資を受ける

自己資金の次に考える方法が、金融機関などからの融資ではないでしょうか。

すでに別の事業で活動している会社がスタートアップとして新事業を行う場合は別ですが、ゼロからのスタートの場合は社会的信用が無く、特に生産活動をしていないシード期は金融機関の審査が通りにくくなります。

車のローンやクレジットカードのローンなどを利用したことがある人もいるでしょうが、それすら借りられなくなるのが初期の起業家なのです。

その為、両親や祖父母にまとまったお金の援助をしてもらい、分割して返していく形をとる人も。この場合、「親だから」「親戚だから」と軽く考えずにきちんと金銭消費貸借契約書を交わし、毎月決められた口座へ返済しましょう。

契約書を残しておかないと、贈与なのか?と疑われ払わなくても良い税金を支払う事にもなりかねません。
銀行も親族も借りられない…という場合には、日本政策金融公庫からの融資を検討してみましょう。

日本政策金融公庫では高い成長性が見込まれる新規事業を行う中小企業への融資や、若年層や女性、シニア向けの起業家支援資金など、まだ社会的に信用がない人や企業への融資を積極的に行っています。

自分が当てはまっているかどうか確認してみるとよいでしょう。

③補助金や助成金を受ける

国や地方公共団体が行っている補助金や助成金も見逃せない制度です。

融資とは違い、補助金や助成金は返済の必要がない金銭です。もし受給することができればスタートアップの強い味方になるでしょう。

補助金と助成金の違いは、ざっくり言うと「審査があるかないか」です。
助成金は、要件に当てはまっており書類に不備が無ければほぼ支給されます。

一方補助金には審査があり、書類を完璧にそろえたからと言って必ず受給できるわけではありません。

また、どちらも支給は後払いとなっており、一旦自分で建て替えておき、採択されたら領収書や報告書を提出して受給のための審査を受ける…という2段階の審査となっていることがほとんどです。

もし最後の審査で書類に不備があったり、万が一不正などが発覚したりすると一切受給できませんので誠実に望みましょう。

④投資家から投資を受ける

シード期の資金調達方法で特徴的なものが投資家による支援です。

富裕層の個人投資家や投資会社にアプローチをかけて、返済不要の資金を提供してもらうという方法があります。

日本では「お金を援助してもらう」という意識が弱く、統計を見ても開業資金の約21%は自己資金、約69%が金融機関等からの借り入れとなっています。

ですが、信用の無い借り入れには限度があります。スタートアップでは開業時にブーストをかけたいので、さらなる資金が必要となるのです。

足りない分を自己資金で賄おうとしても、貯まるのを待っていたら起業チャンスを失ってしまいかねません。
そんなとき、事業計画次第で返済不要の支援が期待できるのが投資家です。

投資家はその企業がいかに利益を上げられそうか、理念に共感できるか、人柄に魅力を感じるかを総合的に見定め、共感すると感じたら相応の資金援助をしてくれます。

その為にはアピールするためのピッチ、プレゼンテーションの機会を得なくてはいけません。

信頼できる人からの紹介が一番ですが、その他にも投資家と起業家をマッチングさせてくれるサービスや、業界の交流会などに参加してチャンスを得ることもできます。

しっかりとビジネスプランを伝えられるよう、入念な下準備が必要です。

出典:「2022年度新規開業実態調査」 – 日本政策金融公庫

 投資家とスタートアップの関係性

資金調達の手段の一つとして「投資家」を上げましたが、スタートアップと投資家には密接な関係があります。日本ではあまり浸透していない資金調達方法ですが、スタートアップの浸透と共に徐々に知られてきています。

投資家には大きく分けて2つのタイプがあり、「エンジェル投資家」と呼ばれる個人の投資家と、「ベンチャーキャピタル」と呼ばれる投資会社があります。

それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

エンジェル投資家

創業して間もない企業に出資を行う個人の投資家のことを「エンジェル投資家」と呼びます。

起業家からしてみれば天使のような存在であることからこう呼ばれているようです。

日本では人数がそれほど多くはありませんが、政府がベンチャー企業への投資を促進するために「エンジェル税制」という優遇措置を設けています。今後、日本でも数を増やしていくのではないでしょうか。

投資金額は数百万円~数千万円程度ですが意思決定までの期間が早いのが特徴。

投資家次第で、即日援助が受けられるなんてこともあるのがエンジェル投資家です。
アイデアやビジネスプランはもちろん、創業者の人柄を重要視する投資家も少なくありません。

日本でエンジェル投資家と出会うためには、いくつかの方法があります。

  1. ピッチコンテストに参加する
  2. マッチングサービスを利用する
  3. 交流会に参加する
  4. 信頼できる知人の紹介を受ける

それぞれについて見ていきましょう。

ピッチコンテストに参加する

ピッチコンテストとは、起業家向けのプレゼンテーション大会です。
支援を目的にしている大会であり、審査員としてエンジェル投資家が参加していることがほとんどなので、直接アピールができる貴重な場なのです。
また、投資家からの支援の他に、大会で賞をとると賞金が出ることも。こちらも起業資金として活用できるので一石二鳥ですね。
ピッチは短時間でいかに投資家の関心をひきつけ、興味を持ってもらうかがポイント。大会に参加する際はしっかりとした下準備が必要です。

マッチングサービスを利用する

起業家と投資家をマッチングさせるサービスも存在しています。基本的にはサイトに登録をするだけでOKなので、手軽に利用できて大きなリターンを得られるチャンスがある方法です。
月額料金がかかるサイトと無料のサイトがあり、一般的には利用料金が高いほどたくさんの投資家とマッチングできるとされています。

ですが、一部で悪質なサービスもあるのも事実です。高額な利用料金を取っているにもかかわらず投資家の審査が甘く、詐欺まがいな投資を持ちかけられたり、投資ではなく融資を持ち掛けられたりする場合も。
マッチングサービスを利用する場合は信頼できるレビューを確認したり、登録している投資家の審査基準が明確かどうかを確認したりと自衛することも大切です。

交流会に参加する

名刺交換会や異業種交流会など、様々な名目で日々交流会が開かれています。
人脈を広げることはシード期において重要なこと。投資家に直接会えなくても、エンジェル投資家に支援を受けて起業した人や、知り合いが投資家だという人と巡り合えるかもしれません。

知人からの紹介はリスクが少なく、話を聞いてもらえる確率がグッとあがるのでどんどん人脈を広げていきましょう。ただし、後述する「信頼できる知人」であるかはしっかりと見極める必要があります。

もちろん、直接投資家と交流できるイベントも開催されています。この場合は直接支援につながる可能性が高いですが、ライバルが多いのでしっかりとピッチの準備をして印象付けをすることがポイントです。

信頼できる知人から直接紹介を受ける

探し方で一番リスクが少ないのが信頼できる知人からの紹介です。マッチングサービスやピッチコンテストは、起業家・投資家がお互いに素性がわからない状態からのスタートですよね。まず気になるのは「相手がどんな人なのか」「ちゃんとした人なのか」でしょう。
少しでも不安があると、支援するのもされるのも躊躇してしまいますよね。
その点を解消できるのが、「直接紹介」なのです。

「この人の紹介だから」という安心感と信頼感で、投資を決めてくれる場合も少なくありません。起業家からみても、信頼している人の紹介であれば詐欺まがいの投資家にあたる可能性も大幅に下がります。
お互いにメリットがある直接紹介ですが、必ずしも相性が良い投資家を紹介してくれるとは限りません。ビジョンが違えばいくら良い投資家であったとしても支援は受けられないでしょう。

ですが、近いビジョンをもった投資家をさらに紹介してくれる可能性もありますので良い関係を築いていくことは大切です。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは投資ファンドとも呼ばれ、高い成長が予想される未上場企業に対して出資を行う投資会社です。

複数の投資家や会社などから資金を集め、それを元手に出資をするのでエンジェル投資家よりも高額な支援が期待できます。しかし、組織として多くの利害関係者との調整がある為意思決定までの時間がかかり、審査も金融機関並みの厳しさだと言われています。

審査が通れば数億円以上の支援が見込めるのでスタートアップでは強力な資金調達方法となるでしょう。

また、強力な経営支援も魅力。ベンチャーキャピタルは様々な起業の経営を見ているプロです。シード期にしっかりとしたアドバイスやサポートをもらうことができれば、事業をより安定したものにできるはずです。

シード期に投資や融資を受けるときのデメリット

支援を受けられるならメリットしかないと思われがちですが、もちろん投資や融資を受ける事にもデメリットがあります。投資家からの支援や金融機関などからの融資を受けようとする場合は、デメリットも考慮した上で準備をしましょう。

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①融資の場合:返済しなくてはならない

当たり前のようですが、融資の場合は返済する義務があります。数年単位で借り入れをすることが多く、利息も支払わなければなりません。

それも含めて毎月返済できるかどうかを計画する必要があります。シード期はまだ本格的な事業がスタートしていない準備段階なので、融資を受けて事業を始めてもうまくいかず、借金だけが残ってしまった…ということも十分にあり得ます。

知人や親族から借りた場合も、「ちょっと待って」はできません。好意で返済を猶予してくれることはあるかもしれませんが、甘えすぎていると人間関係が崩れてしまうでしょう。

金の切れ目が縁の切れ目、という言葉もあるように、借りる際は契約書を交わし、その通りに計画的に返済しましょう。

②投資の場合:自由な経営ができなくなる可能性

投資家から支援を受けた場合、経営に関して関与されるため自由な経営ができなくなる可能性も。一般的に会社の経営権は、出資比率で決められています。過半数を超えると取締役を解任できるなど実質的に経営権を握れることもあるのです。シード期のスタートアップは信頼度や社会的地位が確立できていないため、投資家の言いなりになってしまうというリスクもあります。

過半数を超えなくても、出資時の取り決めで様々な制約が課せられることがほとんど。しかしあまりに制約が多すぎると、自分の会社なのに思うように経営ができない…なんてことにもなりかねません。

一方で経営に関するノウハウやアドバイスを受けられることはメリットです。バランスを考え、投資契約の際は条件をしっかりすり合わせることが大切でしょう。

シード期で重要な創業メンバー

スタートアップでは事業内容やアイデアと同じくらい、創業メンバーが重要になります。

もちろん一人でもスタートアップはできますが、創業から急成長させることを目的としているため、信頼できる創業メンバーを集めることが理想です。

限られた資金の中で意思決定をしていく必要があるシード期では、2~3人の少数精鋭の創業メンバーが向いているでしょう。あまり人が多くなりすぎると、株式の割合や給与面で揉める事も。

また、人数が多くなるとたくさんの意見が出てきます。アイデアが出ることはメリットになりますが、意思決定が遅くなる恐れもありスピード感が求められるスタートアップのシード期においてはデメリットになることもあるのです。

まとめ

革新的なアイデアや技術で急成長をしている組織であるスタートアップ。起業する前の準備期間のことをシード期と呼びます。

事業が始まる前の資金が不十分な中で、人件費や調査費、開発費などを捻出する必要があります。
資金調達方法は主に4つあり、その中でも特徴的な方法が投資家による資金調達です。

返済不要の資金調達方法ですがデメリットもありますので、融資などの場合と比較したり、補助金などと併用したりと事業に合った方法を見つけましょう。

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この記事を書いた人

さかもと しおり

フリーランスメディア編集部。
夫と猫ちゃんズと4人暮らし。
ゼネコンの一般事務員として社会人スタート。宅建士、FP技能士、施工管理技士補など資格取得し、取締役として企業経営も経験。

現在は大手資格予備校の講師、個人事業主向けコンサル、ライター・WEBデザイナーの道を進んでおります。波乱万丈の人生ですが、「大丈夫、世話ねぇよ!」(群馬弁)の精神と、今までの経験を生かし豪快に生きています。

趣味は宝塚歌劇団の舞台鑑賞とアウトドア(釣り・登山・自転車など