ビジネスシーンでは、「芳しくない」という言葉を耳にすることがあります。しかし、「どのような意味なのか分からない」「どうやって使えば良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
「芳しくない」は状態が良くないことを指し、ネガティブなシーンで使うのが基本となります。正しい言葉遣いは、ビジネスシーンにおいて相手と良い関係を築くために不可欠です。そこで今回の記事では、「芳しくない」の意味について詳しく解説します。類語・言い換え表現や例文も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「芳しくない」の意味
「芳しくない」は「かんばしくない」と読み、会社の業績や仕事の進捗などにおいて思うような結果が得られていない時に使う言葉です。例えば、あるプロジェクトの進捗が「芳しくない」という場合、想定よりも進んでいないことを意味します。
このように「芳しくない」は、ポジティブな期待から外れたネガティブな状態を指すのが一般的です。成績や評判、容態などに使える言葉で、遠回しに伝えたい際に用いられることが多くあります。
【シーン別】「芳しくない」を使った例文

「芳しくない」はビジネスにおいて、さまざまな場面で使うことができます。下記では、「芳しくない」を使った例文をシーン別に紹介します。
プロジェクトの進捗報告をする時
「芳しくない」は、プロジェクトが予定通りに進んでいない時に使うことができます。
- 「現在のプロジェクトの進捗状況についてですが、予想よりも芳しくない状態が続いています。主にリソース不足と外部の遅延が原因です。これを受けて、プロジェクトチームと協力し、対策を講じる必要があります。」
- 「プロジェクトの進捗についてご報告いたします。残念ながら、現時点での進捗状況は芳しくないといえます。予定していたマイルストーンに対する達成度が低く、原因の分析と改善策の検討が急務です。」
何かを評価する時
ビジネスシーンでは、業績やチームのパフォーマンスなど評価する場面が多くあります。想定よりも良い結果を得られていないときは、「芳しくない」を用いて表現することが可能です。
- 「今年度の売上が芳しくないため、販売戦略の見直しが求められます。次回の会議で改善策を提案する予定です。」
- 「チームのパフォーマンスが芳しくないとの報告を受け、今後の研修やスキルアップの機会を検討する必要があります。」
何かを調査・発表する時
ビジネスシーンでは顧客満足度や市場反応を調査し、他の従業員に共有する場面があります。結果が良くないときは評価時と同様に、「芳しくない」を使うことが可能です。
- 「最近の顧客満足度調査の結果が芳しくないことから、サービスの品質向上に向けた具体的なアクションプランを立てる必要があります。」
- 「新製品の市場反応が芳しくないため、マーケティング戦略を再評価し、ターゲット層に合ったプロモーションを展開する計画です。」
体調を表す時
「芳しくない」を用いて体調を表す際は、具体的な容態を説明せずに体調が良くないことを遠回しに伝えられます。丁寧な言い方であり、悪い印象を与えない表現です。
- 体調が芳しくないため、本日はお休みをいただきます。
- 〇〇さんの体調が芳しくないようなので、代理で私が対応いたします。
天気や人間関係表す時
天気や人間関係にも、「芳しくない」を用いる場合があります。天気を表すときは、雲や雨など良くない天気を意味します。
- 天気が芳しくないため、本日のスケジュールは延期いたします。
- 社内の人間関係が芳しくないため、来月席移動を行う予定です。
「芳しくない」の類語・言い換え表現

「芳しくない」には、類語や言い換え表現が多くあります。それぞれニュアンスや使用場面が異なるので、状況に応じて適切な言葉を選びましょう。
好ましくない
「好ましくない」は、良くないという意味を持つ言葉です。「芳しくない」と同じニュアンスで使うことができます。なお、「好ましい」には「そうであってほしい」「そうあるべき」という意味が含まれており、「好ましくない」はこの期待を打ち消しています。
- 「今回のトラブルに関する担当者の対応は、顧客からの信頼を失う恐れがあり、誠に好ましくありません。」
- 「現在の生産ラインの稼働率は、目標を大きく下回っており、この状況は好ましくありません。新たな効率化策を検討すべきだと考えます。」
望ましくない
「望ましくない」は、満足な状態ではないことを指す言葉です。「そうであって欲しくない」「願わない」というニュアンスを含んでおり、否定形・肯定形ともに使えます。
- 「顧客からのフィードバックを分析した結果、一部のサービス提供方法が望ましくないとされることが分かりました。この問題を改善するため、サービスの質を向上させるための具体的な改善策を検討し、実施する予定です。」
- 「現在のプロジェクト進捗についてですが、いくつかのリスクが発生しており、その影響が望ましくない方向に進んでいます。このため、リスク管理プランを見直し、早急に対策を講じる必要があります。」
思わしくない
「思わしくない」は、「良いとは思えない」「思っていたより好ましくない」ことを意味します。悪い状況を表す際に用いる言葉で、ネガティブな内容を遠回しに伝えられます。
- 「今四半期の売上が思わしくない結果となりました。予算達成に向けて、販売戦略の見直しと新たなプロモーション活動を検討する必要があります。」
- 「プロジェクトの進捗が思わしくないため、チーム全体でのレビューと問題解決に向けた追加のミーティングを開催する予定です。遅れを取り戻すための具体的な対策を立てる必要があります。」
はかばしくない
「はかばしくない」は、「捗々しい」を「ない」で打ち消した表現です。「はかばかしい」は物事が順調に進むことを指し、「はかばしくない」は進行状況が良くないことを表します。「はかばかしい」は動きや進捗などと組みわせて、「はかばかしい〇〇ない」という形で使う場合もあります。
- 「今月の売上がはかばかしくない結果となり、目標達成には至りませんでした。このため、次月に向けて新たな営業戦略の立案と実施が急務です。」
- 「現在のプロジェクトの進捗がはかばかしくないため、チーム全体で問題点を洗い出し、早急に対策を講じる必要があります。進捗が改善されるまで、定期的な進捗確認を行うことにします。」
「芳しくない」を使用するときの注意点

「芳しくない」を使用するときは、いくつか注意点があります。ビジネスシーンで相手に悪い印象を与えないためにも、事前に内容を押さえておきましょう。
肯定的な内容に使わない
「芳しくない」はネガティブな内容を表現する言葉であるため、肯定的なシーンで使うのは避けましょう。例えば、成績が悪い時に「成績が芳しくない」と言いますが、良い時に「成績が芳しい」とは言えません。この場合は、「成績が好調」など別の言葉で表現する必要があります。
具体的な報告する際に使わない
「芳しくない」は遠回しに状況を伝えるのが目的であり、具体性に欠けている言葉です。そのため、詳細な内容を聞かれた時や取引先・上司にきちんと報告しなければならない時は、他の言葉を使って表現する必要があります。「芳しくない」と回答すると、何か隠し事があるのかもしれないと不信感を与える原因となるため注意しましょう。
ビジネスシーンで「芳しくない」を適切に使おう
「芳しくない」は、状況が期待通りでないことを遠回しに伝えられる言葉です。ビジネスシーンで使われる場合もあるので、正しい意味を理解しておく必要があります。「芳しくない」を肯定的な場面で使うと、相手に悪い印象を与えてしまう可能性が考えられます。
そのため、正しい使い方と類語を把握し、状況に応じて適切な言葉を選びましょう。正しい言葉を使うことで、相手と良好な関係を築けるようになります。

