こんにちは。フリーランスメディア編集部のまるりんです。
Webライターやカメラマンを統括して作業している会社のことを「編集プロダクション」または「編プロ」と呼びます。
つい先日、Webライターをやってる方から『編集ってどんな仕事なんですか?』という素朴な質問を受けました。
あれ?もしかして、「編集」という仕事は我々は当たり前のようにやっているけど一般的にはあまり知られてないかも!?と思ったので今回は編集の仕事についてご紹介します。
編集プロダクションの仕事について
まず、大まかに編集プロダクションの仕事はこのような流れで行われます。
企画→構成案(キャッチコピー作成)→アポ→取材→執筆→初稿作成→校正→校了(納品)
企画から取材・執筆など総合的に行う会社を「編集プロダクション」と言いますが、「編集」は、執筆が完了したあとの初稿を、更に校正を行って、『読者が読みやすいようにブラッシュアップしていく作業』のことを指します。
Web記事であれば、最終的にはワードプレスに入稿する必要があります。その時にh2やh3という見出しを設定したり、読者が読みやすいように写真を設定する〜というような作業も「編集」に該当します。
インタビュー相手の印象や個性を忘れないうちに、アウトプット
情報をアウトプットする
インタビュー中に取ったメモをもとにアウトプットを始めます。ここで重要になるのは、インタビュー相手の個性をいかに表現するか?です。
エッセイであれば、個性の一部を文体で表現することもできます。しかし、記事の形式によってはその方法は使えません。インタビュー相手の印象的なフレーズや物事の表現の仕方など、忘れないうちに個性を掴み、意識して表現するように心がけましょう。
テープ起こしを作る
インタビューの録音データを聞きながら、テープ起こしをしましょう。
インタビュー中は気づかなかった余分な部分や、日本語として不自然な文章などを削除・修正し、原稿のベースとなるものを作成します。
素起こし
インタビュー中の会話全てを書き起こす手法を「素起こし」と言います。
考えている時の「あー」や「うーん」などの擬態語、言い間違いや訂正していることなども全て文章にします。話した通りに一字一句正確に書き起こすため、インタビュー時の感覚を思い出しやすい。
ケバ取り
「あー」や「うーん」などの擬態語を除外して書き起こすことです。
インタビュー内容と関係ない意味のない言葉や、言い間違いなどの不要箇所(ケバ)を削除するので読みやすくなります。しかし文法的な間違いや順序の違いがあっても、まだここでは修正しません。
整文
インタビュー中の話し言葉(口語)を書き言葉(文語)に直し、文体を「です・ます」調にすることを「整文」と言います。インタビュー相手の言葉で抜けていた助詞や「さ入れ言葉」、「ら抜き言葉」などを修正し、読みやすく整えます。ただし、原稿の性質に応じて、あえて口語体を残すこともあります(例:インタビュー記事)。
原稿の確認
原稿を作る上で確認すべきことや、基本的なルールを覚えましょう。
原稿作成とブラッシュアップ
メモからのアウトプットとテープ起こしをもとに原稿を作成します。また、企画に関するデータや第三者の論評など、揃えられる他の情報があれば肉付けに使用します。
原稿確認をインタビュー相手に依頼するので、修正点などの話がしやすいようにページ数のナンバリングをしておきましょう。
分量と内容のチェック
文字数に過不足はないか、内容は企画の趣旨に沿っているか、原稿全体と差し込む写真の配分などを総合的にチェックします。
読者層に伝わらない専門用語はないか
記事が掲載される媒体によりますが、ターゲットである読者層にわかりづらい専門用語がないかをチェックします。記事の趣旨に関係ない専門用語は使わない、使う場合は脚注をつけて情報を細くする、などの対応が必要です。
記事を掲載する媒体のトンマナを守る
トンマナとは、「トーン&マナー」を省略した言葉です。
「トーン」は調子や色調、「マナー」は様式や作風などの意味合いがあり、記事では言うなれば「媒体らしさ」を指します。
「です・ます」表現や表記ルールなどの、掲載される媒体で一貫して使用されている表現、読みやすさやテキストのフォントなどが、掲載される媒体の他の記事と統一されているかを注意してチェックしましょう。
誤字脱字、矛盾の有無などの確認
原稿が形になったら、誤字脱字がないか?、原稿内の内容に矛盾はないか?など、原稿の最終チェックを行います。
原稿の修正
インタビュー相手にチェックしていただき、修正します。
取材先のチェックと修正
原稿が完成したら、約束した期日にインタビュー相手に送って内容をチェックしてもらいます。明らかなミスを指摘されたら、お詫びとお礼を伝えながら修正しましょう。
NG情報はないか
インタビュー相手が公表したくない情報、まだ他社(者)に知られたくない事業内容や数値的な情報、伏せるべき名前や固有名詞など、原稿にNG情報が記載されていないかチェックしてもらいましょう。
インタビュー時にもし「この内容はNG」と聞いている事項があれば、あらかじめメモを取っておくなどして、原稿に記載しないよう留意しなければなりません。
修正依頼にどこまで応じるか
インタビュー時には書いて構わないと言われた情報が、原稿ができてから「公表されては困る、使わないでほしい」と言われることがあります。
しかし、ただ「わかりました、削除します」では、時間と手間をかけて原稿を書いたのに無駄になってしまいますが、ここで食い下がってしまうとトラブルになってしまいます。
顧客ファーストで考えて、できる限り指示通りの原稿を作成するように心がけます。
いかがだったでしょうか?Webライターとして経験を積んだら、編集プロダクションの仕事に転職してみる〜ということも良いでしょう。
また、自分自身でスキルを上げて編集プロダクションを作ってしまうということもおすすめです!