好きな仕事を自由な時間・場所でできることが魅力のフリーランス。キャリアアップや夢の実現のために選ぶ人も最近では増えています。
フリーランスとして仕事を探す方法は人脈や自分のWEBサイトやSNSの紹介などさまざま。
その中でも年々存在感を増しているのがクラウドソーシングやスキルシェアリングサービスです。
フリーランスの不安は収入面が約半数
インターネットを中心に活動するフリーランスの約50%が収入の不安定さや金額に不安を感じているという調査があります。
クラウドソーシングやスキルシェアリングサービスなどはインターネットと相性がよい業種を中心として利用されていて、そのほとんどが自宅だけで仕事を完結させることができます。地方に住んでいてもビジネスチャンスを得ることができるのも魅力です。未経験でも可能なものから専門性の高いものまで幅広く取り扱われています。
収入を安定させたいフリーランスにとって、このようなサービスの存在は貴重な営業ツールの一つであると言えるでしょう。
出典:日本労働組合総連合会 「ネット受注をするフリーランスに関する調査2020」

クラウドソーシングとは?
クラウドソーシングとは不特定多数・群衆(Crowd)と業務委託(Sourcing)を組合せた言葉。アウトソーシングの1つとされるクラウドソーシングの特徴は、インターネットを利用することで世界中の発注者と受注者が出会うことができることです。
クラウドソーシングは個人と個人の枠を超えて仕事のやり取りができます。
従来のアウトソーシングは外注業者の担当が企業に営業活動をし、事務や作業工程の一部の請負うのが一般的でした。一方クラウドソーシングは会社員や学生が副業として利用したり、フリーランスの営業ツールとして活用したりと幅広く気軽に利用されています。
そしてクラウドソーシングの中心となっているのが、「プラットフォーム」と呼ばれるクラウドソーシングサービスです。
発注者が依頼したい仕事内容や価格を公開し、受注希望者が応募します。オンライン面談、過去実績の提出、テストなどを行った上で契約成立となるのが一般的な流れでしょう。
クラウドソーシングには総合型と特化型の2種類に分かれています。メリット・デメリットがあるので、どれがよいのか迷っている人向けにオススメのサイトをジャンル別にご紹介します。
クラウドソーシング 総合型
「とりあえず仕事を探したいけどどうすればいいの?」という場合は総合型のプラットフォームから始めるのがよいでしょう。総合型は業種に制限がなく、初心者でも始められる仕事がたくさんあります。クラウドソーシングの使い方を学び、自分の得意なことを知ることもできますよ。
1位 ランサーズ

ランサーズはクラウドソーシングの中でも古く、導入企業は40万社、350種類以上の仕事が揃っています。手数料はすべての発注方法で一律16.5%(税込)と分かりやすい設定です。フリーランス向けのサービスが充実しており、悪質な低価格・短納期案件を排除する仕組みがあります。
案件数が多い分ライバルも多く、人気の案件はすぐに応募が締め切りになってしまうことも。
また社内のルールで個人への発注ができない法人に対してランサーズが契約を取り持つなど、受注のチャンスを広げる取組みや24時間365時間のオンラインサポート、税務に関する相談やスキルアップ教育など、フリーランスをバックアップする仕組みを整えています。
仕事獲得を支援するためのランク制度もあり、活動実績などにより最上位の認定ランサーになるとオススメ案件の紹介やメルマガでの紹介、優先サポートなどを受けることができますよ。

2位 クラウドワークス

全国78万社が利用し、圧倒的な案件数が魅力なのがクラウドワークス。
データ入力、アンケートなど初心者や副業向けの案件が豊富なのが特徴です。ライティング、WEBデザインやシステム開発のような高単価の業務も登録されています。
報酬から引かれるシステム利用料は、単価によって異なりますので確認しましょう。
(2022年12月時点)
- 20万円超の部分⇒ 5%
- 10〜20万円部分⇒ 10%
- 10万円以下部分⇒ 20%
- タスク形式⇒ 20%
クラウドワーカー会員特典としてがん診断で一時金80万円などが出る保険、法律や税務相談が可能な相談LINE、クラウド会計ソフトやワークスペースの利用割引クーポンがあります。その他にもスキルアップを支援するサービスとも連携しています。
また、フリーランスの悩みの一つである「相談できない、孤独」という問題を解決する取り組みが「みんなのカレッジ」というオンラインコミュニティ。
相談だけでなくスキルアップのための研修プログラムなどもありますので、初めてフリーランスとして働く人の助けになるでしょう。
3位 スキイキ

フリーランスにとって「長期案件」は生活安定のために確保したい案件の一つではないでしょうか。大手転職情報サービスのマイナビが運営するプラットフォームは3ヶ月以上のプロジェクト案件のみを掲載しています。
さらに定期的な出社からフルリモートまで、柔軟な働き方が実現できるのも特徴でしょう。
スキイキの魅力は受注側にシステム利用料などが一切かからない点です。交渉はスキイキ内のチャットやWEB面談機能を使って行われます。契約や報酬支払もサービス上で行われるので安心感があります。
案件数は約250件(2022年12月時点)と数は多くありませんが、その分単価が高く安定した案件が多いのでマッチする募集があれば積極的に応募してみましょう。
様々な職種があり、特に事務・営業、ライター・編集、WEBデザイン、エンジニアの案件は豊富です。
クラウドソーシング WEBライター向け
クラウドソーシングでも人気があるのがWEBライターです。
初心者でも始めやすく副業としても人気があります。実績と経験を積めばWEBライター以外の発展性もあるのも魅力の一つ。WEBライター特化型のプラットフォームには初心者に優しいサービスが提供されていることもあります。
1位 サグーワークス

サグーワークスは、記事作成特化型では日本最大規模のプラットフォームです。報酬はポイント制で換金するシステムになっています。クライアントと受注者の間に運営者が入るのが特徴で、受注者は一切交渉する必要はありません。
画像選定や文字の装飾はありませんので、「文字を書くこと」のみに集中することができます。500文字以下の案件が多いので、スキマ時間を活かした副業にもオススメです。
ランク制も導入しており、レギュラー・ゴールド・プラチナの3種類に分かれています。
最上位のプラチナライターはサグーワークス独自のテストに合格したライターだけがなれるランクです。高単価案件を紹介してもらえるようになるのでプラチナを目標にするのも良いでしょう。
全体的に単価が低めではありますが、安全にコツコツと執筆したい人には向いているサービスです。
2位 WRITER STATION(ライターステーション)

WRITER STATION(ライターステーション)は業界内でも高いレベルの報酬案件を提供している在宅ライター専門のプラットフォームです。
ライターの経験がある人もない人も、スキルに応じて様々な記事の依頼を受けることができます。
登録には課題文の提出があり、期限を区切って行われています。登録募集のチャンスを逃さず申し込んでみましょう。
報酬例としては1文字1.2円ほどで、業界内では平均よりすこし高めの設定。さらにスキルが高いライターには高報酬の案件も用意されているようです。
サポート体制もしっかりしており、SEOで有利な言葉の選び方や組み立て方の指導など、WEBに特化した記事のノウハウをほぼマンツーマンに近い形でレクチャーしてくれます。
経験の有無にかかわらず、きちんとしたWEBライターとしての技能を身につけたい方にもオススメのプラットフォームです。

3位 Shinobiライティング

Shinobiライティングは、報酬がポイント制の珍しいプラットフォームです。
ライターの仕事に興味があるけど、いきなりクライアントとやり取りするのは不安という人や、本業は他にあるけれどスキマ時間にちょっとお小遣い稼ぎがしたいなという人にオススメです。
記事の作成はプラットフォーム内で記事投稿エディタを利用して行います。
案件ごとにタイトルの必須キーワードや本文中のキーワード、それぞれの使用回数を表示してくれる便利な機能も。
文字数の不足やいつまでに投稿すればよいかもアナウンスされているので、初心者でも安心です。
「誤字脱字判定」や、Shinobiライティングで過去に書かれた記事と重複していないかをチェックする「過去記事チェック」など、便利な機能もあります。
気になる報酬についてですが、「BIZ SAMURAI ポイント」というポイントで支払われます。
1ポイント 0.5円の価値があり、たまったら現金に交換することもできますし、AmazonやiTunesのギフトコードに交換することもできます。
マイページで月ごとのポイント目標を設定できるなど、ゲーム感覚で仕事ができるのも楽しみの一つ。
文字をたくさん書くことがWEBライターとしての上達のコツでもありますので、様々なジャンルをどんどん書きたい方にも向いているプラットフォームです。
クラウドソーシング エンジニア向け
クラウドソーシングとエンジニアは非常に相性がよく、パソコンさえあればどこでもできる仕事の代名詞と言っても過言ではありません。
そのため、どのプラットフォームにも数多くの応募が出ています。
効率よく案件を探すためにはエンジニア向けのプラットフォームを利用するとよいでしょう。
1位 Task(タスク)

Task(タスク)はIT専門のクラウドソーシングで、数あるプラットフォームの中でも「タスク単位での仕事募集」をしている珍しいサービスです。
1つの大きなプロジェクトを細分化して発注してくれるので、自分の強みを生かせる部分や、副業として隙間時間にできる範囲で受注することができます。
運営によるチェック体制も整っており、受注から納品までのやり取りを監視してトラブルを未然に防ぐフォローをしてくれるのです。トラブルになりがちな報酬の支払いも運営が間に入りシステム上で行うので安心。さらにシステム利用料も無料です。
エンジニアの経験がある人を対象としたプラットフォームなので、経験があってフリーランスとしては初めて仕事をするという方にピッタリですよ。
2位 Craudia(クラウディア)

Craudia(クラウディア)は運営母体がWEB関連会社であるクラウドソーシングです。その為WEB関連の案件募集が多く、システム開発やWEBサイトの作成のような専門性の高い案件から初心者OKのSNS管理代行まで、幅広いレベルの仕事が揃っています。
Craudiaはクラウドソーシングでありながら、後述するスキルシェアリングサービスとしてスキルを出品し仕事を受注することも可能。
1つのプラットフォームで2つの働き方が選べて、受注の幅を広げることもできます。
仕事の依頼から金銭のやり取りまで、クラウディアのシステムを通して行うので安心して仕事に専念することができるでしょう。
システム手数料は業界でも低い水準にあり、内訳は以下の通りとなっています。
- 1円~5万円の部分⇒ 15%
- 5万1円~10万円の部分⇒ 10%
- 10万1円~100万円の部分⇒ 5%
- 100万1円以上の部分⇒ 3%
- 時間制の場合⇒ 一律10%
ホームページにはシステム利用料シミュレーターがありますので、面倒な計算をしなくても報酬料を入力すれば手取り金額がすぐにわかりますよ。
3位 Workship(ワークシップ)

Workship(ワークシップ)はフリーランス・副業専門の求人・案件検索プラットフォーム。
エンジニア・デザイナーを中心とした案件が多く、大手・有名企業の募集も数多く掲載されています。
地域や稼働時間、プログラミングで利用している言語から検索することもでき、フルリモートから出社まで自分の好きな働き方を見つけることができるでしょう。
Workship(ワークシップ)の特徴は、金銭面でのサポートが手厚いこと。
案件成約時に1万円が贈呈される「お祝い金」や、申請すれば報酬が前払いされるシステムは他のプラットフォームでは珍しいでしょう。
また、賠償責任保険も無料で付与。パソコンがウイルスに感染してクライアントの情報が漏洩してしまった…といった事態に対処できるように最大500万円が保証されます。
個人だとつい口約束にしがちな業務委託契約書も、きちんとサービス内で完結。
比較的長期の案件も多く掲載されていますので、経験とスキルがあって安定した仕事を受注したい人に向いているプラットフォームです。
スキルシェアリングサービスとは?
スキルシェアリングサービスは、自分のもっているスキルを公開(シェア)して必要としている人に届けるサービスです。
クラウドソーシングサービスは公開されている案件に応募する形ですが、スキルシェアサービスの場合はプラットフォームに登録して受注を待つ形のサービス。
サービスは年々増え続けていますので、ジャンル別にオススメをご紹介していきます。

スキルシェアリングサービス 総合系
様々なスキルを持っている人や業界の垣根を越えてスキルを提供したい人にオススメなプラットフォームが、総合系のスキルシェアリングサービスです。
自分のスキルがどのジャンルになるかわからないという方も、まずは総合系のプラットフォームに出してみるとよいでしょう。
1位 フリーランスワーカー.jp

フリーランスに特化したスキルシェアリングサービスのフリーランスワーカー.jp。
気軽にフリーランスとやり取りをすることができ、対面でもオンラインでも仕事を販売することができます。
プラットフォームによってはシステム上のメッセージ機能のみでしかやりとりができないサイトもありますが、フリーランスワーカー.jpは購入者と直接メールやZoomでやり取りすることができますので自由度が高い点が特徴です。
ジャンルの幅も広く、作曲家やイラスト作成、士業による相談、パソコン講座など様々。
持っているスキルの種類を問いません。
大きなプラットフォームだと利用する人は多い一方で、スキルを出しても埋まってしまったり競合するフリーランスがたくさんいて登録しても受注に結び付かなかったりというデメリットがあります。その点、フリーランスワーカー.jpはライバルが少なく、スキルを登録したらすぐにページの上位に表示される点がメリットです。
海外からのアクセスも伸びてきているプラットフォームなので、海外からの依頼も今後期待できるかも。
フリーランスワーカー.jp:https://freelanceworker.jp/fw/
2位 ココナラ

ココナラは日本最大級のスキルシェアリングサービスのプラットフォームです。
特徴は、全てのやり取りがココナラのシステム内で完結すること。
ビデオチャットを利用する講座や相談なども、Zoomなど外部のシステムではなくココナラで用意されたシステムを利用します。安心して利用できるので、お悩み相談や占いなどのスキルが人気のようです。
販売時の手数料は22%とすこし高めの設定ですが、外部ツールを使わないため安心して取引ができるプラットフォームです。
ただし、オンラインで完結するサービスのみが出品できますので、直接会って相談を受けたりハンドメイド作品の販売など郵送を伴ったりするサービスは原則的に出品できません。
3位 タイムチケット

タイムチケットは、時間をチケット制にしてシェアするサービスを提供しているプラットフォームです。30分、1時間単位で金額を設定し、自分のスキルを販売します。
タイムチケットでは、「婚活アドバイス」や「プロフィール写真撮影」など、恋愛系のアドバイスが月間総合ランキングでトップに入っています。
対面でも非対面でも出品できますが、実際に会って相談するという形態が人気のようです。
また、恋愛系の他にもフリーランス向け起業相談や、HP・WordPressの技術的な相談も多数出品されています。
サービス利用料として、以下の手数料が売り上げから引かれますので確認しておきましょう。
- 5万円以下の部分⇒ 25%+税
- 5万円超10万円以下の部分⇒ 20%+税
- 10万円超⇒ 15%+税
スキルシェアリングサービス クリエイター系
フリーランスの写真家やイラストレーターにとって、スキルシェアリングサービスは非常に相性がいいプラットフォームと言えるでしょう。
自分の作品を掲載しておくだけで販売の機会が得られたり、ポートフォリオとしてクライアントに見てもらったりすることができるのです。
そのためには、プラットフォーム選びも重要。
ここでは写真やイラストを中心としたクリエイター系のプラットフォームを紹介します。
1位 PIXTA(ピクスタ)

PIXTA(ピクスタ)は日本最大級の写真素材サイトです。
プロ・アマを問わず、誰でも写真やイラスト、動画を販売することができるので非常に間口が広いプラットフォームでしょう。商用利用可能な素材として販売されるので、有名雑誌のイメージ写真として利用されたり、人気アーティストのCDジャケットとして利用されたりするかもしれませんよ。
販売するためには登録が必要で、簡単な著作権や肖像権についても入門講座とテストがあります。
無事にテストに合格したら素材の販売ができるようになりますが、審査に通常3週間ほどかかりますので焦らずに待ちましょう。
購入されると、販売価格のうち決められた料率(コミッション)の額が「クレジット」としてシステム上でたまっていきます。1クレジット110円換算で10クレジットから現金に交換できます。
コミッション率はクリエイターのランクや販売商品によっても違いますので、事前にホームページで確認しましょう。
2位 Skillots (スキロッツ)

Skillots (スキロッツ)は漫画やイラストに特に強いスキルシェアリングサービス。
海外のクライアントからの発注もあり、世界中にあなたのスキルを届けることができます。
英語や中国語ができなくても、翻訳機能が搭載されているので安心。
また、案件はすべてプラットフォームを運営している会社が業務委託契約を結んでおり、フリーランス側は再委託という形になりますので万が一のトラブルの時も話がスムーズです。
Skillots (スキロッツ)はイラストでも「萌えイラスト」「キャラクター」「似顔絵」「漫画」と細かくカテゴリーがわかれているので、ピンポイントで検索されやすいのが特徴。
得意なジャンルにプロフィールを登録しておけば目に留まりやすいですよ。
報酬から引かれる手数料は30%からと高めの設定なので、販売価格をよく考えて設定しましょう。
- 30,000円未満の案件⇒ 30%
- 30,000円以上100,000円未満の案件⇒ 20%
- 100,000円以上500,000円未満の案件⇒ 15%
- 500,000円以上の案件⇒ 10%
3位 99designs

99designsはオーストラリアのメルボルンを拠点とするプラットフォームです。主にグラフィックデザイナー向けに、クライアントとフリーランスをつなぐ目的で運営されています。
プロのデザイナーも活躍しており、日本ではあまり目にしないグローバルなイラストやデザインがあふれています。Tシャツのロゴ、本の表紙、商品のパッケージなど、実際に物となって販売されるようなデザインが多いのが特徴です。
手数料は、新しいクライアントと最初に働く際にマッチング費用としてUSD$100、その後プロジェクトごとに5%~15%の使用料がかかります。
国外のプラットフォームなので使い方や表示方法が独特ではありますが、全世界のデザイナーとコンペを競うことができるので刺激になるはずです。
使用方法や利用規約をよく確認してから利用しましょう。
まとめ
自由な働き方が強調されがちなフリーランスですが、自由に働くために自分に合った方法で仕事を探す必要があります。
プラットフォームはそのための手助けとなるツールです。
この記事を参考にして働き方やスキルに合ったプラットフォームを選び、フリーランスという働き方を楽しみましょう。

