職場で業務に一生懸命取り組んでいる人、夢に向かって努力を続けている人、ケガや病気からの復帰に努力をしている人などが周囲にいると、頑張って、という気持ちを伝えたいものです。しかし、伝え方によっては相手が不快に感じたり、プレッシャーに感じたりする可能性があるので、頑張ってもらいたい気持ちを伝えるには言葉選びがとても重要です。
今回は、頑張ってほしい気持ちを伝える際に使える「頑張れ」以外の言葉、NGポイントについて解説します。
頑張っている人には労いの言葉をかけてみましょう

もし自分が仕事で成果を出すために毎日努力を重ねている、または目標に向かって脇目も振らずに毎日苦労をしているとき、周囲の人に応援や励ましの言葉をもらったらうれしいものではないでしょうか。他の人も同様に、頑張っていることを応援してくれる人が周りにいることは心強く感じられ、努力を認められた、これからもっと頑張ろうと意欲的になれます。
もし、周囲に頑張っている人がいるのであれば、一言でも応援や励まし、労いの言葉をかけてみましょう。相手の心が軽くなり、職場の人の場合はよりスムーズに業務を進める契機になることが期待できます。
最初に知っておくべき応援や励ましをしたいときのNGポイント

頑張っている人、努力を続けている人に対して応援や励まし、労いの気持ちを伝えたいとしても、単純に「頑張れ」と言葉をかけるだけでは気持ちが十分に伝わらないことがあります。それどころか、逆効果になることがあるので注意が必要です。
そこでまずは、応援や励まし、労いの気持ちを伝える際のNGポイントからご紹介します。
「頑張れ」はNG?
今まさに頑張っている人に対して、ストレートに「頑張れ」や「もっと頑張って」などと言葉をかけたい気持ちになるかもしれません。しかし、基本的に「頑張れ」をそのまま使うことはNGとなる場合が多くあります。
そもそも、その人は自分で頑張っていることを認識していて努力を重ねていることでしょう。そのような状況で第三者に「頑張れ」と言われることは、すでに頑張っているのにもっと頑張らなければならないのか、とプレッシャーに感じたり不快に思われたりする可能性があるからです。
頑張っている人への応援や励ましは、「頑張れ」で済ますのではなく、もっと言葉選びを工夫する必要があるといえるでしょう。
否定の言葉は避ける
応援や励ましのために否定的な言葉を使うのは、頑張っている人に避けるべきポイントです。例えば、頑張っている人に対して「それはおかしいのでは」や「それはやめた方がいい」などと否定するような言葉をかけることは、努力や苦労を否定していると捉えられてしまいます。自分では応援や励ましのつもりでも、相手から求められてもいないのに否定的な言葉を投げかけることは厳禁です。
たとえそれが正しいアドバイスで、頑張っている人に対して応援や励ましの気持ちを込めていたとしても、否定的な言葉をかけることは避けましょう。
無責任な言葉を使わない
否定的な言葉を避けてポジティブな言葉をかけたつもりが、相手に不快な気持ちを抱かせてしまうことがあります。例えば、「そのうち何とかなる」のような言葉は一見前向きな言葉に感じられますが、相手によっては無責任でいい加減だと捉えられるかもしれません。
上記のような言葉をかけてもらった方がプレッシャーがかからず気楽でありがたい、と考える人も中にはいるでしょうが、いずれにしても本来の意図とは正反対の捉えられ方をされかねない無責任な言葉は、応援や励ましに使わない方が無難です。
相手に応じて使い分けよう!「頑張れ」以外の応援や励ましの言葉

頑張っている人への応援や励まし、労いは、相手に応じた言葉の選択が必要です。相手の立場によっては、かけた言葉がそのままプレッシャーになってしまう恐れがあるため、相手に適した言葉をかけることができれば、こちらの気持ちが伝わりやすく励みになってもらえるでしょう。
同僚への応援や励まし
努力をしている同僚に応援や励まし、労いの言葉をかける際は、まず共感の気持ちを示しましょう。頑張っている人は、他者に対して問題の指摘やアドバイスをもらうことを求めているのではなく、自分の環境や取り組んでいる内容に共感してもらいたいと考えていることが多いからです。そのため、前述したように否定やアドバイスをすることは的外れです。
同僚を応援、励ましたい場合は、以下のような言葉を使ってみましょう。
・無理をしないでください
・お疲れ様です
・いつもありがとう、助かっています
・体調に気をつけてください
・応援しています
頑張っている人に対して「頑張れ」は基本的にNGだと述べましたが、同僚への応援や励ましは「共感」がポイントとなります。同じ「頑張れ」という言葉を使うとしても、共感の気持ちを込めて「頑張っていますね」と言葉を掛ける、または「あなたは一人ではない」という気持ちを込めて「一緒に頑張ろう」のように使うと、共感してもらえている、と単純な「頑張れ」とは異なるニュアンスとして捉えてもらえるので、応援や励ましの気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
部下への応援や励まし
頑張っている部下の応援や励ましは、同僚に対してより難しいかもしれません。上司からの言葉は、一つ間違うと部下がプレッシャーを感じやすいからです。もちろん、時には厳しい指導を行う必要が出てくることがあるでしょうが、部下がしっかりと仕事に取り組んで努力をしている場合は、その努力に対する応援や励まし、労いを日頃の感謝とともに伝えるといいでしょう。そうすれば、部下は日頃の努力が上司に伝わっていることがわかり、モチベーションを高められます。
また、いつでもサポートする用意があるという気持ちも伝えると、上司からのバックアップを受けていると実感してもらいやすく、やる気をキープしてもらえるでしょう。
これらを踏まえた部下にかける適した言葉の例として、以下のような言葉があります。
・いつもありがとう
・ご苦労さま
・何かあったら相談してください
その他の応援・励ますシーンで使える言葉
ビジネスシーン以外にも、友人や家族を応援したり励ましたりする機会はあるものです。そのようなプライベートで使う言葉も、ビジネスと同様にプレッシャーを与えかねない言葉や否定的な言葉は避けるべきです。友人・家族に対して使う言葉は、基本的に同僚や部下に使うものと同じで、よりくだけた表現も使えます。
・体調に気をつけてね
・もし何かあったら相談に乗るよ
ケガや病気で長期間療養している中で、回復へ向けて頑張っている人に応援や励ましの言葉をかけたい、という方もいるでしょう。このケースでも、「頑張れ」や「早く良くなってね」はプレッシャーを与える可能性があるので、避けたいところです。その代わりに、以下のような言葉をかける方が相手へ余計なプレッシャーをかけることなく、励ます気持ちを伝えられるでしょう。
・焦らないでね
・ゆっくり休んでね
応援や励ましの言葉は相手の状況を見て使い分けましょう

応援や励まし、労いの言葉は「頑張れ」とつい言ってしまいがちですが、人によっては「頑張れ」がプレッシャーや不快に感じることがあるため、何も考えずに「頑張れ」とを使わないようにするべきでしょう。「頑張れ」と思う気持ちは、別のさまざまな言葉で言い換えが可能です。今回ご紹介したように相手によって使い分ける、NGポイントを避けるなどして、応援や励まし、労いの気持ちを適切に相手に伝えましょう。