フリーランスの活躍の場が広がると共にトラブルも増え続けています。組織に所属せず自由に働けるメリットがある一方で、「1人」であることがデメリットになってしまうことも。特に発注者とのトラブルでは弱い立場になってしまいがちです。
そこで今回はフリーランスの強い味方となる「フリーランス・トラブル110番」についてご紹介します。
フリーランス・トラブル110番とは?
フリーランスの相談窓口
フリーランス・トラブル110番とは第二東京弁護士会が運営しているフリーランス向けの相談窓口です。第二東京弁護士会は2020年4月1日現在、会員数6,000名以上を擁する全国で2番目の規模の弁護士会です。
フリーランス・トラブル110番は厚生労働省の委託事業です。
ただの民間団体ではなく行政機関と連帯をしています。
フリーランス・トラブル110番ができた背景とは?
フリーランス、ギグワーカー、クラウドワーカーなど働き方は多様化しています。会社に勤める以外の働き方がある一方で、トラブルが起きたときの相談窓口がありませんでした。
例えば労働者が企業とトラブルが起きても、問題の種類に応じて労働局、労働基準監督署、ハローワークと3つの行政窓口があり、スピーディーに相談に乗ってくれます。
とくに労働基準監督署は警察署と同じ「署」が使われているように調査、指導、取締りをしてくれます。労働局は労働局と会社の間に入ってあっせん、調停、仲裁を行います。
フリーランスにも下請法などによって守られていますが、クライアントとのトラブルでは受注のために妥協することが多いのが現実でしょう。もし不満があったとしてもどんな方法や手続きがあるのか分からず、弁護士などに相談したとしても時間と費用が高く、自力で解決するしかない状況でした。
フリーランス・トラブル110番の特徴とは?

フリーランスに詳しい弁護士に相談できる
誰でも得手不得手があるように、多くの弁護士も「専門分野」を持っています。
フリーランス・トラブル110番ではフリーランスに関係する法律やトラブルに詳しい弁護士が相談対応をしてくれます。
無料で相談できる
多くの弁護士サービスでは初回や1時間まで無料というのが普通です。弁護士への依頼は数十万円かかることは珍しくなく、大きな障害となっています。フリーランス・トラブル110番では相談だけではなく、その後の和解・あっせん手続費用もかかりません。
全国どこからでも、匿名でもOK
仕事をしながら解決策を探すのは体力的に厳しいですよね。そこで対面だけではなく、電話やメールでも対応しています。WEB会議で資料を共有し具体的な解決策を検討することもできます。
もちろん、秘密は絶対厳守しているので、クライアント側に問合せが行って、知られてしまうということはありません。相談は匿名でも受け付けているので、相談しやすい環境が整っています。
和解・あっせんの手続きができる
フリーランス・トラブル110番では相談だけではなく、和解・あっせん により、解決に導いてくれるのが最大の特徴でしょう。和解・あっせん とは、クライントとの利害関係を調整したり、解決策を提示することで和解を目指す方法です。
どんな相談ができるの?

報酬についてのトラブル
- 一方的な減額
成果物を納品後に「思ったのと違う」と言われて一方的に減額されるようなケースです。契約内容などをチェックして、クライアントに撤回を求めることもできます。但し、誰の目から見ても成果物の品質が劣っている場合は、フリーランス側の主張が全て聞き入れてもらえないことがあります。 - 報酬の未払い
成果物を納品後に「プロジェクトが中止になったので支払いできない」と報酬が支払われないようなケースです。契約内容や事実関係をチェックして支払いを求めることもできます。
ハラスメントについて
「今後の契約を解除するぞ!」と、発注者という立場を利用して、フリーランスに暴言、暴行、嫌がらせなどをするケースです。その他にも、性的な関係を迫るような例も当てはまります。対応方法の相談など、様々な支援を受けることができます。
契約内容について
長い付き合いのクライアントや紹介された相手だからと、契約書を作成せず受注してしまい、あいまいな契約になってしまうことは少なくありません。いざ追加請求の拒否や支払遅延など、トラブルが起きたときには、自力で解決が難しい場合があります。
損害賠償請求をされてしまった
業務中の損害を発生させてしまったときはクライアントから損害賠償請求される可能性があります。損害賠償請求はクライアント側の権利ではありますが、本当に正しいものなのか、金額が適正であるか?は争点となります。フリーランス・トラブル110番では請求額の減額など、和解やあっせんも可能です。
相談前に準備しておくと良いもの
感情的になって、いきなり電話してもうまく話せない場合があります。相談する前にどんなことで困っているかまとめましょう。自分が何に困っているかがわかるとスッキリしますし、相談内容が支離滅裂になってしまうことを防ぐことができます。
・時系列で起こったこと
・メールや音声などの証拠・資料など
・取引先の連絡先など
これらはまとめておくとスムーズです。
まとめ
フリーランス・トラブル110番は第二東京弁護士会が厚生労働省など行政とタッグを組んで運営しています。第二東京弁護士会は全国2位の会員数(弁護士)を活かして全国のフリーランスの相談に対応しています。
相談から解決まで弁護士がワンストップで解決に導くことで、フリーランスの負担を大きく減らしてくれます。フリーランスにとって現実的な解決策を見つけることができるでしょう。
