日々の暮らしの中で常に税と向き合う中で、節税対策をどうすれば良いのかとお悩みの個人事業主・フリーランスの方も多いでしょう。とくに毎年確定申告の時期が近づくと、憂鬱になることもあるようです。
そこで、今回は「個人事業主・フリーランスが知っておくべき節税対策」というテーマを取り上げてみましたので、今後の参考にしていただければ幸いです。
個人事業主・フリーランスが納める税金の種類

所得税
所得とは、1年間 (1月1日から同年12月31日まで) の収入から必要経費を差し引いた金額であり、この所得に対して課税されるのが所得税です。1年間の所得を確定するために、フリーランスや個人事業主は2月中旬から3月中旬の時期には、国税局に確定申告書を提出します。
住民税
フリーランス・個人事業主は個人住民税として、市町村民税と道府県民税を納税することとなります。所得割の場合、個人住民税の課税率は所得に対して10%で、その内訳は市町村民税が6%、道府県民税は4%となっています。
消費税と個人事業税
前々年の売上が1,000万円超の場合、消費税を納めることとなります。
事業所得が290万円以下の場合は、個人事業税を納める必要はありません。
また、業種によっては個人事業税の対象外となるケースもあります。
※国税庁が2022年8月1日に出した所得税の法令解釈通達の改正案「副業収入が300万円を超えない場合は、事業所得ではなく雑所得と取り扱う」という案がでてきてます。今後、ニュースなどで最新情報をご確認ください。
個人事業主・フリーランスが知っておくべき節税対策

経費として計上できる税金の種類
税金の種類によっては、経費として計上できるものもあればできないものもあります。
個人事業税・消費税・自動車税・不動産取得税・登録免許税・印紙税など、事業経営に関連性の深い税金は、経費として計上することができます。
一方、所得税・住民税・贈与税・相続税・加算税・延滞税など、事業経営と無関係の税金は、経費として計上することはできません。
1つ補足しておくと、交通違反などによる罰金も事業経営とは無関係であるため、経費としては認められません。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している方は、1年間に支払った掛金の全額に対して、控除を受けることができます。なお、個人型確定拠出年金(iDeCo)のは月々の掛金の上限は68,000円です。
仮に、毎月68,000円の掛金を支払った場合は、12ヶ月分で816,000円の控除が受けられることになります。
青色申告特別控除
フリーランス・個人事業主が青色申告を行った場合は、一定の要件を満たしておけば最大で65万円の控除を受けられます。確定申告で青色申告を適用できるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のうち、いずれかの所得がある人です。
ふるさと納税
ふるさと納税を上手に必要することで、節税対策として役立てることができます。
ふるさと納税を行った金額に対して寄付金控除が適用される仕組みです。
ワンストップ特例制度を活用する場合、「寄付した金額の合計から2,000円を差し引いた金額」が、住民税から控除されます。
生命保険料控除
生命保険料控除の対象となる保険は、生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3種類です。納税者本人が保険会社と任意で契約した保険であり、なおかつ本人が保険料を支払っていることが控除適用の条件となります。
この3種類の保険について、契約締結日が平成24年1月1日以降の場合は「新生命保険料」、それ以前に締結した場合は「旧生命保険料」と分類されます。
「新生命保険料」と「旧生命保険料」では各保険の控除額に格差が生じています。
- 新生命保険料は上限4万円 (旧生命保険料は上限5万円)
- 介護医療保険料は4万円 (旧生命保険料は該当なし)
- 新個人年金保険料は上限4万円 (旧個人年金保険料は上限5万円)
3種類すべての保険に加入していていずれも「新生命保険料」に分類される場合は、生命保険料控除の上限額は12万円となります。生命保険と個人年金保険がすべて「旧生命保険料」に区分される場合は10万円が上限となります。
まとめ
今回は、個人事業主・フリーランスの節税対策についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。端的に「税金の納税額を減らす」といったものではなく、節税に注力する一方で将来的な備えを充実させることも、フリーランスの方には大切なことです。
日本人の平均寿命が延びて「100年人生」とも称される中、生命保険や個人型確定拠出年金は「もしもの時の備え」として老後の生活を豊かにし、安心を得ることができます。
