適切な経営をするためには、正確な予算管理が必要です。
しかし独立したばかりの方やフリーランスの方は予算管理に時間を割けず、あいまいになっているケースも多くあります。そこで今回は、予算管理システムの選び方や、おすすめをご紹介します。
予算管理とは
予算管理とは、経営計画に基づき策定された予算計画が、実際に実行されているか把握し、分析することです。健全な企業経営を行うために、必須の取り組みとなります。

企業における予算は3つに大別でき、損益予算、資金予算、資本予算にわけられます。損益予算とは損益計算書のベースとなるもので、売上高予算、製造予算、費用予算を合算しています。資金予算は、資金繰りに関する予算です。現金収支予算や借入返済予算などが当てはまります。資本予算とは、設備投資や有価証券の投資に関する予算です。
予算管理システムとは
予算管理システムとは、予算管理を効率的に行うためのシステムです。中小企業や個人事業主の方はExcelを使って予算管理をするケースが多いのですが、これでは機能的な限界があり、属人化してしまうという問題もあります。
これを避けるために活用するのが、予算管理システムです。必要な機能を誰でも簡単に利用でき、業務の効率化や高度化をサポートします。
予算管理システムを使うメリット
予算管理システムを使うとどのようなメリットがあるのか、解説します。
予算計画を効率的に作成
予算管理システムを使うことで、予算計画の作成から編成までに発生する様々な業務を効率的に行うことができます。銀行口座やクレジットカードなどと連携させることで、お金の動きが自動を取り込め、手作業が発生しません。また、売上や利益など様々なデータを一括で管理することで、統一されたデータベースでの予算管理が可能となります。
物価の高騰や季節性といった要素を踏まえて、期中で予算の再編成を行うことがあります。予算管理システムなら様々な変更に即時対応し、柔軟な経営が可能です。
予算計画のシミュレーション
予算管理システムには、シミュレーション機能が搭載されているものがあります。これを活用することで、損益予算、資金予算、資本予算がどう動いていくか、シミュレーションを実施することができます。立てた目標が実現可能性の高いものかどうか、事前に判断する際に役立つでしょう。
予算の分析の効率化
予算管理システムを使うと、作成された予算計画にそって動いているのか、乖離が発生してしまっているのかが、一目でわかるようになります。データが自動入力されることによりモニタリングがリアルタイムでできるようになり、大きく計画から外れる前に対策を打つことが可能です。
また、一年ごとにデータが溜まっていくので、過去にさかのぼった分析もできるようになります。事業をより健全に継続するためにも、長期的な視点に基づく経営分析が必要です。
適切なKPI設定
予算管理システムを使うことで、売上など様々な数値を可視化できます。これにより、予算策定時により正確で適切なKPIの設定ができるようになります。顧客数や自己資本比率など、これまであいまいに決まっていた目標値の決め方が明確になり、従業員のモチベーションアップにも寄与するでしょう。
セキュリティの向上
近年では、クラウド型の予算管理システムが増えています。運営会社が常にサイバー攻撃に備えセキュリティ対策を実施しているため、自社ではコストを割かずにセキュリティレベルを上げることが可能です。予算管理にまつわる数値はどれも機密性が高いため、重要なポイントです。
予算管理システムのデメリット
予算管理システムの導入には、メリットだけではなくデメリットもあります。
コストが発生する
多くの企業で使われているExcelは無料で利用できますが、予算管理システムには導入・運用時にコストがかかります。そのため、導入を考えてしまう方も多いでしょう。
しかし、予算管理システムを使うことで業務を効率化し、コア業務に注力できる時間が増えることまで考えると、必ずしもマイナスにはならないと言えるでしょう。クラウド型であれば導入費を抑えることも可能です。
慣れているやり方から変えなくてはならない
これまで長年Excelを使ってきた企業からすると、「今更新しいやり方を覚えるのは手間がかかる」と思うかもしれません。特に予算管理が属人化している企業であれば、担当者のリテラシーが低いと、より抵抗感があるでしょう。
予算管理システムの選び方
現在、多くの予算管理システムがあるので、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いです。そんなときは、以下のポイントに注目してください。
予算内のコストで収まる
一つのシステムにどの程度の予算をかけられるか、基準はそれぞれです。予算管理システムを使うことで得られるメリットと天秤にかけ、納得のいく価格のものを選定してください。また、ツールによっては時期によってキャンペーンを実施していることもあるので、ある程度の期間リサーチをしてみると、最適なタイミングで導入できます。
社内システムとの相性がよい
すでに会計システムや販売管理システムなどを使っている場合、それらとの連携が必要です。こういったシステムで算出される数値をもとに予算計画を作成、実行していくので、両者がつながっていなければ上手く業務が進められません。予算管理システムのWebサイトに連携できるシステム一覧があればそこから確認し、もしなければ導入時に担当者に問い合わせてみましょう。
Excelから簡単に移行できる
Excelで予算管理を行っている場合、そこから新しい予算管理システムにデータを移行しなくてはなりません。予算管理システムの種類によっては移行ができなかったり、一部のデータのみ移行が非対応というケースもあります。こちらも事前に問い合わせることで、トラブルを防げるでしょう。
必要な機能がそろっている
予算管理システムには様々な機能があります。しかしどれだけ豊富な機能があっても、自社で使うものが搭載されていなければ意味がありません。まずは「自社で予算管理を行うにあたり、どんな機能が必要か」を検討し、リスト化しましょう。そして一つひとつを照らしあわせ、すべて対応しているか確認してください。
予算管理システムを導入するなら弥生会計
自社に最適な予算管理システムがわからない方には、弥生会計がおすすめです。月次・年次・半期ごとの予算を科目ごとに設定することで、実際の仕訳データと比較し、どのくらい計画通りに進んでいるかをいつでも確認できます。部門別の管理もでき、年間推移も表示可能。配賦基準を設定すると、部門共通費を科目ごとの間接費として会部門に配賦した、予算実績対比表の作成もできます。
予算管理だけではなく、AIを活用した自動仕訳や経営分析など多くの機能があり、税理士との連携もスムーズに行えます。売上実績は24年連続でNo.1となっており、非常に人気の予算管理ツールです。30日間の無料お試し利用ができるため、予算管理システム選びに迷ったらぜひ活用してみてください。
