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セクショナリズムとは?引き起こす原因や企業への弊害、対処法

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企業で働く社員は、他の社員と協力して業務を遂行するものですが、部署やチームの利益のみを追求する状態「セクショナリズム」が大きな問題になることがあります。

今回は、セクショナリズムの基本と企業へ与える弊害、対処法について解説します。

セクショナリズムとはどのような状態?

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セクショナリズムとは、英語で「区分」などの意味を持つ「section」と「主義」という意味の「-ism」を組み合わせた「sectionalism」という単語からきた言葉です。セクショナリズムは「縄張り主義」や「縦割り主義」、「派閥主義」という意味を持ち、自分が所属している部署やチームの立場や利益のみを重視し、外部に対して非協力的で排除する傾向があります。

利益を追求するという意味では、企業内の競争力を高めることが企業にとって有益と思われがちです。しかし、セクショナリズムは行き過ぎると他部署との間のトラブルの原因となり、企業全体へ悪影響を及ぼしかねません。

セクショナリズムの種類

セクショナリズムは、大きく分けて以下の2種類のタイプがあります。

無関心・非協力的型

このタイプは、自分が所属する部署やチーム以外に興味や関心を持たず、自分の部署・チーム内のみの意識を向けます。周囲の変化に対しても関心がなく、どのような活動をしているのかについて知ろうともしません。その結果、このタイプのセクショナリズムでは自分たち以外に非協力的となってしまいます。

周囲を知ろうとせず、「自分たちがよければいい」という考えを持ち、余計な負担や責任を取りたくないと考えています。そのため、他部署や他チームから応援やヘルプを依頼されても応じずに無視することもあります。

批判的・排他型

批判的・排他型セクショナリズムは、他に対して強い敵対心を持ち、批判的な点が特徴です。相手に関わろうとしない無関心・非協力型とはまた異なり、周囲は自分に不利益を与えている、迷惑をかけているとネガティブに捉え、縄張り争いを過剰に行うことがあります。

このタイプは相手を組織から排除するために誹謗中傷を行うこともあるので、企業・組織内に軋轢が生じることも考えられます。

セクショナリズムが起こる原因

セクショナリズムは企業へ良い影響を与えるどころか、悪影響を及ぼしかねないものです。では、なぜそのような状態に陥ってしまうのでしょうか。その原因として考えられるのが、以下の3点です。

企業・組織の巨大化

規模の小さな企業であれば、社員同士でやり取りする機会が多く、意思疎通も比較的容易です。しかし、企業や組織が巨大化して社員が増えると、社員間でのコミュニケーションが難しくなり、他部署での業務に対する関心も低くなりがちです。すると、自分が所属する以外の業務に無関心になり、セクショナリズムを引き起こすことがあります。

縦割り型組織の影響

縦割り型組織が多い日本の企業では、上下関係がきちんと成立しているので指示や命令がしっかりできる環境です。その反面、縦割り型組織では横のつながりが希薄になりやすいのが、セクショナリズムを引き起こす要因です。上へいくほど専門性が高くなる一方で、他の部署でどのような業務が進んでいるのか、何をしているのかを把握しづらくなります。

また、上下関係が厳しい環境では、部下は上司に対して意見しづらく、もし上司が他部署への対抗意識や批判的な考えを持っていると、部下を含めてセクショナリズムに陥りやすくなってしまうのです。

人事異動・人事評価

縦割り型組織で人事異動が少ないと、人の流れが滞って入れ替わりが少なくなります。長期間同じメンバーで仕事をしていると、「この中でだけ業務ができていればいい」「この中だけで理解できていればいい」と考えてしまうことが、排他的になる原因です。他を知ろうとしないので視野が狭くなり、交流も狭まることも、セクショナリズムを引き起こしてしまいます。

他に対して非協力的になるのは、人事評価も少なからず影響しています。結果を出せば部署や自分自身の評価につながるのは決して悪いことではありませんが、高い評価を得るために敵対心が強くなり他を蹴落とすことにつながることもあるため、過剰な成果主義や競争主義もセクショナリズムを引き起こしているといえます。

セクショナリズムによって起こり得る弊害

セクショナリズムは、企業にとって弊害や悪影響を及ぼすものです。具体的にどのようなことが起こり得るのか、3つの弊害について解説します。

社員同士の対立

セクショナリズムが起こってしまうと、同じ社内であっても社員同士の対立や他部署・他チームへの妨害が発生することがあります。例えば、電話を取っても他部署へ取り次がない、重要な連絡事項を伝えないなど、業務を進める上で必要となる基本的な作業が部署間、チーム間で行われなくなるのです。

当然、社内での情報共有もうまくいかなくなるため、セクショナリズムによって外部の取引先に対する対応の遅れや信用を失う、不祥事などにつながる恐れがあります。

生産性の低下

上記のように、社員同士での対立が起こってコミュニケーションが十分に取れない状態では、進められるはずの業務もスムーズに進みません。他部署や他チームに対して非協力的であるばかりか、業務を妨害するような状態では企業全体での生産性が低下してしまうでしょう。

メンタルヘルスの悪化

周囲に対して排他的・非協力的な環境は大きなストレスを与えるため、社員のメンタルヘルス悪化が懸念されます。自分の仕事を成功させようとするために他者に非協力的になったり妨害したりすることは、相手にとってストレスになることはもちろん、それを行っている側にもストレスとなるでしょう。

一人が誤ったことをしていると認識していたとしても、同調圧力によって指摘されないこともあれば、排他的で非協力的になっている自覚がない場合もあります。いずれにせよ、精神衛生上セクショナリズムは好ましいものではなく、多くの社員の心身不調の原因になる恐れもある点が、大きな問題です。

セクショナリズムを改善するには

セクショナリズムは社内の環境を悪化させるだけではなく、対外的な悪影響にも発展しかねません。セクショナリズムを改善するには一個人の力だけでは難しいので、企業側が以下のような対策を実施する必要があります。

積極的なジョブローテーションと人事評価の改善

セクショナリズムは、人事異動が少なく他部署との関わりが少なくなることが原因の1つです。そこで、他部署で働く機会を得るためのジョブローテーションを実施してみましょう。これまで関わりがなかった部署を知ることで、企業全体の動きも見えやすくなります。異動が難しい場合は、社内インターンや出向制度などを活用する方法もあります。

人事評価も、部署単位の成績だけで比較・評価するのではなく、個人の成績や貢献度を評価基準に加えると、社員や部署同士で比較することが減り対立も避けやすくなるでしょう。

部署を超えたコミュニケーションの活性化

企業によっては、異なる部署同士のコミュニケーションが少ないことがあります。部署内での上下関係のみのコミュニケーションにとどまらない、部署を超えた横のつながりのコミュニケーションを活性化することで排他的な言動が減り、異なる部署間での対立も抑えられます。

まとめ

セクショナリズムは企業全体での対処が必要なことが多いため、一個人での解決が難しい問題です。場合によっては、メンタルヘルスに大きな不調をきたしかねません。もし不調を感じた場合は、いち個人でできる対策としてカウンセリングを受ける方法があります。

スキルやサービスを出品できるフリーランスワーカー.jpでは、メンタルヘルスに対応するカウンセラーや仕事に関する相談ができる人材が揃っています。メンタルケアは自分のみでは対処が難しい問題なので、フリーランスワーカー.jpの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

Iku

フリーランスメディア編集部。
歴10年以上のWebライター。

在宅ライターの副業をきっかけに、専業ライターとして開業。
主にコラム記事、ニュース記事を執筆。

パソコンとネット回線さえあればどこでも仕事ができる環境を活かし、コロナ前は1年の半分を海外で、現在は日本国内のどこかと自宅を行ったりきたりの生活をしながら自由に働いています。

趣味は旅行、音楽フェス・コンサート。