ビジネスを進める上で、カタカナ語はよく出てくるものですが、「サマリー」もその1つです。サマリーという言葉はビジネス用語に類語が多いので、意味を混同してしまうことはないでしょうか。
そこで今回は、サマリーの基本的な情報と類語との違い、サマリーを作成する上で押さえて置きたいポイントをご紹介します。
サマリーの意味

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サマリーとは「要約」や「要点」という意味を持つ英語の「Summary」からきた言葉です。カタカナ語でのサマリーも「要約」や「まとめ」、「要旨」などの意味で使われています。
ビジネスシーンにおけるサマリーは、主に会議や視察などの報告書の内容をまとめたもので、例えば会議のサマリーの作成を依頼された場合、会議の重要な部分のみをまとめた文書を作成します。その他には、データをまとめた結果をサマリーと呼ぶこともあります。
サマリーの類語と意味の違い
サマリーと似ている言葉は複数ありますが、ビジネスシーンで使われている類語には、以下のようなものがあります。それぞれ意味が異なるので、意味の違いを理解して適切な言葉を使う必要があります。
・レジュメ:フランス語の「Resume」が語源の、「まとめ」という意味の言葉。会議などの冒頭で、これから話し合う議題や論点などをまとめたものを指すので、会議後に内容をまとめるサマリーとは異なる。また、「履歴書」という意味で使われることもある。
・アジェンダ:「計画」「議題」「予定表」などの意味を持ち、会議では開始時間や議題、スケジュールなどを記載する。
・アブストラクト:この場合は「抽象的」という意味ではなく、「抜粋」「摘要」という意味で使用される。サマリーと同様に要約ではあるものの、主に学術論文の冒頭において要旨を記載する紹介文の役割を持つためサマリーとは異なる
業界ごとに異なるサマリーの意味

一般的に、ビジネスシーンにおけるサマリーは要約として使用されていますが、業界によっては別の意味で使用されることもあります。代表的な例が、以下に挙げる3種類の業界です。
IT業界
IT業界でも「要約」という意味でサマリーを使いますが、収集したデータのグラフや分析結果をサマリーと呼ぶことがあります。
分析結果をまとめたデータを「サマリーデータ」とするほか、分析結果の特徴や傾向を「分析サマリー」、ネット検索結果に表示される記事の要約を「検索サマリー」と呼ぶなど、さまざまな意味でサマリーが使用されています。
医療・介護業界
医療・介護業界では、患者の診療記録である「診療情報提供書」または介護にかかわる「介護情報提供書」をサマリーと呼んでいます。診療情報提供書には看護歴や病歴、治療歴などが記載されるため、医師の診療結果を記載したカルテとは異なります。これらは、転院や施設を移動した際に医療機関や施設間で情報共有をするために必要なものです。
金融業界
金融業界では、融資に必要な事業計画書の冒頭に書く要約文を「エグゼクティブサマリー」と言います。エグゼクティブサマリーには事業計画書を短時間にまとめて理解しやすくする役割があり、価値がある事業計画書かどうかをこの部分のみで判断することがあるほど重要な箇所です。
また、金融業界には株式市場や為替市場の動向や展望をまとめた情報として作成する「マーケットサマリー」もあります。
サマリーを作る際のポイントと注意点

業界によってサマリーという言葉が意味するものや使い方が異なりますが、前述したようにビジネスシーンでは一般的に要約やまとめをサマリーと呼んでいます。
では、サマリーを作る際には何を意識すればいいのか、サマリー作成時に押さえておきたいポイントと注意点について解説します。
箇条書きで作成する
サマリーは長い文章を要約して理解しやすくするものなので、ダラダラと長い文章を書くことは避けましょう。短時間で内容を理解してもらうためには、読みやすさを意識することが大切です。そのため、サマリーは箇条書きで読みやすく作成することが求められます。
シンプルに書く
箇条書きで書くことと共通していますが、サマリーを書くときの基本はシンプルに書くことです。そもそも、長くなった要約はサマリーとしての体をなしていません。わかりやすさ、読みやすさを考えて、枚数はできる限り1ページにまとめて作成しましょう。
フォーマットを使う
ビジネスシーンでサマリーを作成する場合、企業によっては決まったフォーマットが用意されていることがあります。そのような場合、もしフォーマットを使用せずにサマリーを作成してしまうと、他のサマリーと異なる形式になってしまい読みにくくなってしまいます。読みやすさを第一に考えるなら、既存のフォーマットがある場合はそのフォーマットを活用してサマリーを作成しましょう。
フォーマットがある方が一から作成するよりも手間を省ける上、従来の形式に沿って作れるので、読む側にとって内容を把握しやすいサマリーを作成しやすくなるでしょう。
視覚的にわかりやすく作成する
会議などの内容を要約するサマリーは、文章だけで作成するものと考えていないでしょうか。文章のみでサマリーを作成しても、問題はありません。しかし、数値やデータの参照が多い内容のサマリーを作成する場合、文章のみでは伝わりにくいことがあります。文章のみで説明しづらいデータを含めたサマリーでは、表やグラフを適宜使用しましょう。文章だけではわかりにくいデータも視覚的に理解しやすく、内容を把握しやすくなります。
また、表やグラフは直感的に数値やデータが理解しやすくなるだけではなく、文章より多くの情報を盛り込める点もメリットです。データ数が多すぎてまとめきれない場合にも、表やグラフを活用してみましょう。
自動要約ツールを活用する
まとめるべき元の文章が長すぎてシンプルに1ページのみのサマリーを作るのが難しい場合は、ツールを使うのも1つの手段です。サマリーを作るツールとして「自動要約ツール」というものがありオンライン上で無料で利用可能です。自動要約ツールは、まとめたい文章を入力するだけでAIが内容を解析し、必要な情報のみを抽出してサマリーを自動生成してくれます。
ただし、自動要約ツールはあくまでも補助的なツールです。完璧なサマリーができるわけではないので、最終的には人が内容をチェックしなければなりません。また、オンライン上で使用するツールはセキュリティ的に問題が発生することが考えられます。機密情報や社外秘の情報が含まれる内容のサマリーを作成する際は、無料のオンラインツールの使用は避けるべきです。有料の自動要約ツールを使用する場合でも、セキュリティ対策が万全のツールを選びましょう。
客観的な事実のみをまとめる
サマリーを作る上で注意したいのが、主観を入れないという点です。サマリーは文書などの内容全体を要約するものなので、個人の主観や意見、感情などを含めるものではありません。あくまでも客観的な事実のみを、シンプルにまとめるように心がけましょう。
まとめ
サマリーは、会議などの内容を簡潔にまとめた文書です。作成するには主観を入れずにシンプルかつわかりやすく書く必要があります。
ビジネスシーンで作成を依頼される機会が出てくることがあるでしょうが、その際は今回ご紹介した情報を参考に内容を把握しやすいサマリーを作成してみてください。