2月11日は「建国記念の日」です。「国民の祝日に関する法律」で定められた年間16日ある祝日のうちの1つで、学校などは休みになることが多いでしょう。この記事では「建国記念の日とはどのような日なのか」「由来は何か」などの基本知識をまとめました。
そもそも国民の祝日とは?
そもそも祝日とは、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」で定められた休日のことです。国民が美しい風習を育てたり、よりよき社会・より豊かな生活を築き上げたりするために、祝日は「休日とする」と定められています。
現在、日本で定められている祝日は年間16日あります。祝日はすべての日付が固定されているわけではなく、「1月の第2月曜日」のように曜日のみが決まっているものもあれば、暦要項によって日付が公表されるものもあります。
【一覧】2024年(令和6年)の祝日はいつ?
内閣府によると、2024年(令和6年)の祝日は以下のとおりです。
- 元日:1月1日
- 成人の日:1月8日(※1月の第2月曜日)
- 建国記念の日:2月11日
- 天皇誕生日:2月23日
- 春分の日:3月20日
- 昭和の日:4月29日
- 憲法記念日:5月3日
- みどりの日:5月4日
- こどもの日:5月5日
- 海の日 :7月15日(※7月の第3月曜日)
- 山の日:8月11日
- 敬老の日:9月16日(※9月の第3月曜日)
- 秋分の日:9月22日
- スポーツの日:10月14日(※10月の第2月曜日)
- 文化の日:11月3日
- 勤労感謝の日:11月23日
2024年の建国記念の日は2月12日に振替
2024年は、建国記念の日である2月11日は日曜日です。建国記念の日は多くの学校が休みになり、会社によっては祝日を休業とするケースもあるため、土日にかぶってしまうと残念に感じる人もいるでしょう。しかし、祝日法第3条第2項では、「祝日が日曜日に当たるとき、その日の後の最も近い平日を休日とする」と定めています。したがって、2024年の建国記念の日は、2月11日の次の日である「2月12日」が振替休日となります。
毎年2月11日は建国記念の日!意味・由来
内閣府によると、建国記念の日は「建国をしのび、国を愛する心を養う」日とされています。ここでは、建国記念の日の意味や由来といった基本知識を紹介します。
建国記念の日とは?「国を愛する心を養う日」
建国記念の日は1966年(昭和41年)の祝日法改正によって設けられた祝日の1つです。「建国をしのび、国を愛する心を養う」日という意味があり、毎年2月11日と定められています。なお、建国記念の日は日付が決まっており、年によって時期が変わることはありません。
建国記念の日の由来は「紀元節」
建国記念の日は、明治時代の祝日である「紀元節(きげんせつ)」に由来しています。紀元節とは、神武天皇が初代天皇として即位した日のことです。『日本書紀』に書かれていた神武天皇の即位日を現代の太陽暦に直し、2月11日が紀元節と制定されました。紀元節は、天皇を中心とする国の在り方を改めて確認し、国の誕生を祝う日という意味を持っています。
建国記念の日と建国記念日の違いは?
このように建国記念の日は、神武天皇が即位した日を祝日にしたものです。紀元節の名称が変化し、現在も「日本が建国されたことをお祝いする日」として受けつがれています。したがって建国記念の日は、厳密にいうと日本ができた日ではありません。なお、日本ができた日として誤認されることを懸念し、名称は「建国記念日」ではなく「建国記念の日」とされたようです。
建国記念の日におすすめのイベント・観光地はある?
建国記念の日は、どんな過ごし方をすればよいのか迷ってしまうかもしれません。ここでは、建国記念の日とつながりが深い観光地や、開催されているイベントなどを紹介します。
【奈良・橿原市】橿原神宮
奈良県橿原市にある「橿原(かしはら)神宮」は、建国記念の日の由来となった神武天皇を祀る神社です。近鉄橿原神宮前駅から徒歩5分ほどの立地で、観光スポットとして人気を集めています。四季折々の植物や豊かな自然が特徴で、森と調和する素木造りの本殿を楽しむことができます。
- 住所: 〒634-8550 奈良県橿原市久米町934
- 営業時間:日の出~日没(時期によって異なる)
- 定休日:なし(臨時休館あり)
【東京・表参道周辺】奉祝パレード
「日本の建国を祝う会」は、毎年2月11日の建国記念の日に「奉祝パレード」を実施しています。ルートは神宮外苑いちょう並木通りから原宿表参道を通り、明治神宮前五輪橋までです。吹奏楽やチアリーディング、子どもたちによる鼓笛隊などのパフォーマンスに神輿渡御が加わり、毎年盛大に開催されています。
- 時間:午前10時~12時
- 場所:原宿表参道周辺
- コース:表参道→原宿駅前五輪橋
建国記念の日に親しもう!日本以外の建国記念日
日本以外の国にも、国の誕生をお祝いする祝日があります。名称の由来や祝日となった経緯などは国によって異なり、それぞれの建国の歴史を知ることができます。
アメリカ・独立記念日
アメリカの独立記念日は7月4日です。1776年の7月4日に独立宣言が再釈され、イギリスの植民地を脱したことが由来とされています。独立記念日は各地で花火が打ち上げられたり、コンサートやパレードが開かれたりと、国中でお祝いムードが漂うそうです。政府機関や企業は休業し、従業員は有給休暇を取って休暇を楽しみます。
カナダ・独立記念日
カナダの独立記念日は7月1日です。1867年7月1日にイギリス議会が北アメリカ法を制定し、イギリスから正式に独立したことが由来とされています。学校や会社、銀行、スーパー、ショッピングモールなどが休業し、花火やパレード、コンサートなどで記念日をお祝いします。
フランス・革命記念日
フランスの革命記念日は7月14日です。1789年7月14日にバスティーユ牢獄襲撃が起こり、フランス革命の発端となったことが由来とされています。専制政治の象徴であるバスティーユ牢獄を民衆が攻撃し、全国的な暴動へ発展したことがフランス革命につながりました。革命記念日には大規模な軍事パレードが行われ、人々は花火やパーティーなどのお祭りに参加します。
中国・国慶節
中国の国慶節は10月1日です。1949年10月1日に、中華人民共和国の建国式典が行われたことに由来しています。1年のなかで最も盛り上がる長期休暇の1つで、10月1日から10月7日までの7連休です。各地でさまざまなイベントが行われ、国内外へ旅行に行く人も多くいます。
韓国・開天節
韓国の開天節は、10月3日です。朝鮮民族の始祖である伝説上の人物「檀君」の神話が由来となっており、紀元前2333年の10月3日に古朝鮮をつくったといわれています。10月3日は韓国の公休日となっており、さまざまな場所で記念行事が開催されます。
建国記念の日は、神武天皇が初代天皇として即位した祝日「紀元節」に由来しています。「建国をしのび、国を愛する心を養う」日という意味があり、毎年2月11日です。海外の独立記念日や建国記念日などに比べると地味な印象を受けるかもしれませんが、日本でもパレードなどのイベントが行われています。日本の歴史を学ぶよい機会だととらえ、建国についての本を読んだり、神社を訪れたりと、普段とは違う過ごし方をしてみるのもよいでしょう。