体調を崩した人に対して、メールやLINEなどのツールを使って文章で体調を気遣う機会は意外に多いのではないでしょうか。そんなとき、どのような言葉をかければいいのか迷ってしまうことはありませんか?「お大事に」は体調を気遣う言葉の定番ですが、それ以外にも体調を気遣うときにつかえるさまざまな言葉があります。
そこで今回は、文章で体調を気遣うときに使える「お大事に」以外の言葉を、使えるシチュエーションや注意点とともに解説します。
文章で体調を気遣うシチュエーションとは?

体調を気遣う言葉を使うシチュエーションはいくつかの種類があり、相手の体を気遣う気持ちを示すには、それぞれの状況に合った言葉を使う必要があります。
体調を気遣うシチュエーションには、主に以下の3つが挙げられます。
体調不良で欠勤の連絡をもらったとき
職場の同僚や部下などから体調不良による欠勤の連絡があった場合に、返信する際に体調を気遣う言葉を用います。欠勤連絡に対する返信では、単なる欠勤を了承する内容だけではなく、体調を気遣う言葉を一言添えるだけで、相手は安心して休むことができるでしょう。
長期療養中の相手との連絡時
ケガや病気のために長期間の休暇を取っている相手に対して、連絡を取る機会が出てくることがあるでしょう。そのような場合も、業務上必要な連絡に加えて体調を気遣う言葉を使います。
この場合は、上記の一時的な体調不良による欠勤とは異なり、長期休暇を取らなくてはならない状態であることが推察されるため、相手の病状・状況に合わせた言葉選びが重要です。
体調を崩しやすい時期の連絡時
一般的に体調を崩しやすいといわれる、朝晩の気温差が激しい季節の変わり目に、体調を気遣う言葉を使うことがあります。この場合は、実際に相手が体調を崩しているかどうかに関係なく使うので、今の相手の体調を気遣うよりも、体調を崩さないように気をつけてください、という意味合いの結びの挨拶として使用されます。
メールやLINEで使えるシチュエーション別・体調を気遣う言葉

欠勤の連絡などは電話で伝えることが一般的でしたが、近年はメールやLINEなどのメッセージツールで連絡を済ますことも多くなりました。そのため、ビジネスシーンで文章のみでのやり取りをする機会も増えており、体調を気遣う言葉も口頭で伝えるよりも文章で伝えることが多いはずです。
体調を気遣う言葉といえば「お大事に」が定番ですが、その他にもさまざまな言葉が使えます。以下では、相手の状況に合わせて使える体調を気遣う言葉をご紹介します。
体調不良で欠勤した相手に対して使える言葉
欠勤を連絡してきた相手は、今現在体調が悪いことは明らかです。突発的な体調不良で出勤できない、という状況もあり得るでしょう。そのため、体調不良で欠勤した相手に対しては、今の体の状態を気遣いつつ、早く回復する願いを込めた言葉を使いましょう。
・お大事になさってください
体調を気遣う際の定番である「お大事に」を丁寧にした表現です。敬語表現なので、目上の人に対して使うのに適しています。同僚や友達など親しい人に使う「お大事にね」との違いは、丁寧かどうかのみなので、意味はほぼ同じです。
「お大事にしてください」は親しい人や部下に使うのには問題ありませんが、目上の人に対して使うにはくだけすぎているので、丁寧な表現にしたい場合は必ず「お大事になさってください」を使いましょう。
・おいといください
いたわる、大事にするという意味を持つ「厭う(いとう)」を使った表現です。「おいといください」とすることで、体をいたわってください、と相手の健康を気遣う意味を持ちます。口語で使うことはほとんどなく、書き言葉で使うのが一般的なので、メールやLINEで使うのに適しています。
長期療養中の相手に使える言葉
長期療養が必要で休んでいる相手に対しては、前述した体調不良で欠勤した相手に対して使うものと同様の言葉が使えますが、ケガや病気の症状が重い人には、より深いお見舞いや気遣いの気持ちを伝えられる言葉が適しています。
・お見舞い申し上げます
ケガや病気の人に対して、幅広く使える言葉です。体調不良による欠勤者に対して使っても誤りではありませんが、どちらかというと長期療養が必要な人に使われることが多いといえます。
・養生なさってください
取引先や上司などの目上の人をはじめ、同僚や部下、友人などに幅広く使えます。「養生」とは「生命を養う」「健康を維持する」などの意味があり、回復を祈る気持ちを丁寧にした表現です。こちらも、短期間で回復が見込まれる人よりも、ケガや病気の回復に時間がかかっている人に対して使われることが多い言葉です。
体調を崩しやすい時期に使える言葉
体調を崩しやすい時期に使う体を気遣う言葉は、相手が体調を悪くしていないこともあるため、ここまでご紹介した回復を祈る言葉とは異なり使い方となります。相手が体調を崩している可能性はゼロではないものの、あくまでも結びの挨拶として使う言葉なので、体調を崩さないよう願う気持ちを伝える目的で使用します。
・お体にお気をつけてお過ごしください
相手の健康を気遣う際に用いる言葉です。季節の変わり目など、気温が安定しない時期の結びの挨拶としてよく使用されており、目上の人や部下まで幅広く使えます。ただし、体調が悪い人に「体に気をつけて」と言うことは失礼にあたるため、相手が体調を崩していることが判明している場合は使用を避けましょう。
・ご自愛ください
健康を大切にしてください、という意味があるこちらの言葉も、相手の立場にかかわらず広く使える言葉です。フォーマルな表現なので、ビジネスシーンで使うのに適しています。より丁寧に使うのであれば、文頭に「くれぐれも」や「どうぞ」を付け加えましょう。
体調を気遣う言葉を使う際に注意したいポイント

体調を気遣う文章を送るときは、いくつかの注意点があります。体を気遣う気持ちを込めた言葉とともに、使用時に注意するべきポイントを押さえておきましょう。
相手の見た目に触れない
体調が悪いとやつれて顔色が悪くなることがありますが、それを気にしている人は少なくありません。どんなに心配しているとしても、そのような外見についてストレートに本人に伝えることは好ましくありません。外見に触れることなく、体調を気遣う言葉のみをかけましょう。
忌み言葉を避ける
文章で体調を気遣うときは、言葉遣いに注意が必要です。普段何気なく使っている言葉には、悪いことを連想させる「忌み言葉」が含まれていることがあるからです。
例えば、繰り返しを表す「いろいろ」や「たびたび」、苦痛を連想させる「苦しい」「悲しい」、終了・終結を連想させる「消える」「終わる」などが忌み言葉にあたります。これらの言葉は相手に不快な思いを与えることがあるため、使わないように気を配りましょう。
ネガティブ・プレッシャーになる言葉を避ける
ケガや病気で休まざるを得ない状況になると、人は落ち込んでしますものです。そのようなときに気遣う言葉をもらうのはうれしいことですが、逆にネガティブな言葉をかけられてしまうとますます落ち込んでしまうでしょう。そのため、ネガティブな言葉を使うことは厳禁です。
また、「頑張ってください」や「早々の復帰をお待ちしております」などの言葉もプレッシャーとなることがあるので、使用を避けるのが無難です。
相手の状況に合わせた言葉選びが大切

ケガや病気による体調不良の人に対して使う体を気遣う言葉は、相手の状況に応じた言葉を選ぶ必要があります。適切な言葉を使うことができれば、体調を気遣う気持ちを相手にきちんと伝えられるでしょう。ぜひ、今回ご紹介した情報を参考にし、気遣いの言葉をかけてみましょう。